地球温暖化②温暖化の影響(北極・南極)
ホッキョクグマが絶滅の危機?
先生!僕の仲間達が北極の氷が溶けて溺れてるんだ!温暖化を阻止しないと大変な事になっちゃう!
大変だね。だけど君の仲間のホッキョクグマ達は泳ぎが得意だよね。実際に溺れる仲間もいるとは思うけど、温暖化で今一番問題になっているのは、彼らが狩りをする場所が奪われているという事みたいだよ。
そうなんだ!僕は泳げないから心配なんだ。狩りをする場所は北極の氷の上だよね?どれくらい溶けていっているの?
Arctic Data archive Systemホームページより引用
1980年から少しずつ減ってきているのが上のグラフで分かると思う。氷の厚さも少なからず薄くなってきているようだね。
グラフがあるとわかりやすいね!でも僕が一番驚いたのは、冬と夏でこんなに氷の面積って違うんだって事!
そこが大事なポイントだね!氷の面積は3月あたりに最大になって、9月に最小になるんだ。その差は約3倍。だから君の仲間のホッキョクグマ達の狩りの場所は氷の上がメインだから、冬場にアザラシなどを捕食して、夏場は陸地でほとんど断食(何も食べない事)生活を送るんだ。雌(メス)のクマ達はこの頃に子どもを産んだりするよ。
僕は冬に何も食べない冬眠に入るけど、ホッキョクグマ達は夏眠するんだ〜!知らなかったよ!
そうだね。活動しない時期は食べ物がない時期という事だね。温暖化が原因と思われる海氷面積の減少で最大の問題は、海氷面積が多い時期が短くなるという問題。ホッキョクグマ達は狩りの場所である氷の上にいる期間が一週間でも少なくなってしまうと、約10キロも体重が減ってしまうと予測している人たちがいる。だから溺れちゃうという問題もそうだけど、一番みんなに知ってもらいたいのは、ホッキョクグマ達の餓死(食べ物がなくて死んでしまう事)問題なんだ。
可哀想だな〜。でも僕らの仲間が減るとアザラシ達は食べられなくなるから喜んでるのかな?
そうとも言えないんだ。アザラシの赤ちゃんは生まれてしばらくは氷床に掘った巣穴で生活するんだけど、氷がすぐに溶けてしまったら、赤ちゃんが成長する前に海に投げ出されて死んでしまうんだ。
え〜!じゃあ誰にとっても良くない問題なんだ。少しでも良い影響があれば良いと思ったんだけどな!
北極の温暖化スピードは他の地域の2倍の早さと言われています。また、人間の排出する汚染物質も北極へ流れつき、その汚染物質がホッキョクグマの血液から検出されています。温暖化も人間の活動によるものであるなら北極に生息する動物達は、人間によって知らぬ間に様々な危険にさらされ続けているのです。
南極の氷は減っている?
南極も氷が減ってるんでしょ?凄い高い氷の山が崩れ落ちる映像は何度も見たことがあるよ!それに南極の氷は大陸の上に乗っかってるから、氷が溶けたら海面が上昇するんでしょ?
素晴らしい!良く知っているね!その通りで、南極の氷が溶けたら海面上昇につながるね!北極の海氷は浮かんでるから溶けても海面上昇には繋がらない。アルキメデスの定理だね!
テレビで何度も見たからね〜!
学校でも教えたんだけどねー・・・。ところで南極の氷は減るというのが一般的な見方なんだけど、増えているというNASAの研究結果もある。気温が上昇しても南極の一部の地域を除けば最高気温はマイナス13℃程度で、最低気温はマイナス70℃を下回る。氷が減るわけがないという人もいる。更に温暖化が進んでいるなら、海面から水分の蒸発が活発により、より多くの雪が南極大陸に降り積もり、氷の量が増えるはずだという考え方もできる。
え〜!その考えの方が正しいような気がする!なんか難しすぎて理解できないよ〜!
研究者の間でも議論され続けている問題だから、本当に難しい問題なんだと思うよ。ただし、南極の氷が消えていくメカニズムを一つ覚えておいて欲しいんだ。
気温がマイナスでも氷が消える?そんな事あるの?
南極は気温は非常に低いので、表面の氷がゆっくりと溶けてなくなることはないよね。その代わりに、長い間かけて蓄積され、押し潰された巨大な氷が谷に沿ってゆっくりと押し出されるんだ。そして最終的には大陸の端に到達し海へと流れ出す。こういう氷を氷流(ひょうりゅう)と言います。海へ流れ出たらアルキメデスの原理上、海面上昇は起こるよね。
なるほど〜。僕が見た氷が崩れ落ちる映像はそれだったのかな!
そうかもしれないね。それと合わせて南極でも日本の昭和基地がある場所は、一月なら最高気温10℃くらいまで上がるし、南極の氷が絶対に減らない根拠はないと言えるね。
ふ〜ん。知らないと色んな情報に惑わされちゃうね。
南極大陸はこの50年間で気温が3℃も上がっていて、温暖化の影響は地球最大と言われている。決して温暖化はないとは言えないし、これから大きな影響が出る可能性は大いにありそうだね。
北極に比べ南極は地形上、氷の量を測定するのが非常に難しいと言われています。全体の氷の量は若干不正確な部分はありますが、気温の上昇は間違いないようです。今は良くても今後大きな問題が起こるのが南極。すでに問題が起こっているのが北極と言えます。