今年の流行色ってどういうこと?

ファッションには流行り廃り(すたり)があるように、今年の流行色というものがある。ほとんどの年配男性はそんな事知ったこっちゃないという感じだろうが、流行色は勝手に決まる訳ではない。どういう事か見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!ママに洋服を買ってあげようと思って、洋服屋さんに行ったんだけど、今年の流行色はこれですって言われて、ママが好きな色じゃなかったけど、流行に合わせた方が良いのかなと思って買っちゃった。流行色ってどういう事?みんな流行に合わせて生きていかないといけないの?

そんな事はないよ。いくら流行といっても自分の好きな色じゃなかったり、合う合わないがあるだろうからね。ちなみに流行色ってみんなが着てるから流行色なんじゃなくて、今年の春夏はこの色って世界的に決めているんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

流行が決められてる?どういう事?

実は、インターカラー(国際流行色委員会)というのがあって、そこで流行色を決めているんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そんな事できるの?それに流行を決めて何の意味があるの?

流行色を決める意味だけど、まず現代はグローバル社会でネットやテレビを通じて世界の流行を知ることができるよね。例えばハリウッドの俳優が今までになかったようなファッションで格好良く着こなしていたりしたら、それは日本でも韓国でもイギリスでもどこで流行る可能性があるでしょ?

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうだね!映画とかドラマのファッションを真似するってあるもんね。

映画は例えだけど、ファッションの流行は何といってもファッション雑誌だよね。みんなファッション雑誌を参考にしてコーディネートを考えたりするからね。そして、どこでも流行するって事は、その年(その年の季節)に流行るファッションや色に偏りが出る可能性が出てくる。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

流行するときは本当にみんな似たようなファッションの人が多くなるもんね。

そうなると、その流行ファッションや色のものは飛ぶように売れて売り切れちゃうけど、そうじゃない服は売れ残ってしまって、次の年には流行遅れになってしまう。そうなるともうほとんど売れない。売れない大量の服を置いておく倉庫なんてないし、かといって捨ててしまうのも資源の無駄。ここ最近のファッション業界でも資源の無駄をなくす運動が起こっていて、今までのリサイクル(再生して利用する事)やリユース(再使用する事)やリデュース(削減する事)の3Rではなく「アップサイクリング(今まであったものに新しい価値をつけておしゃれにする事)」が一つのトレンドになりつつある。でも、まずは売れ残りを減らそうという考えの基(もと)、1963年にインターカラーが発足したんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

なるほど〜!じゃあ世界を裏で牛耳る(ぎゅうじる:支配する)組織じゃないんだね!

初めはそう思う人も多いだろうね。でも、ちゃんと日本もこのインターカラーに参加しているんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

インターカラー参加国は現在16カ国(2019年現在)

日本では一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)が毎回出席していて、他にはイタリア、フランス、中国、スウェーデンなど、多くの国が参加していて、これからも増えるかもしれないね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうなんだ!ファッションの業界が潰れてしまわないようにみんなで協力しあっているんだね!

流行色は2年前から決まっている?

面白い事に流行させたい色は、2年前には決まっているんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

2年も前に?どうしてそんなに早いの?

まず流行色を決めたら、それをブランドやメーカーに伝える。そしてデザイナーやパタンナー(デザイン画を元に型紙をおこす人)などが服を作り上げ、そしてファッションショー(パリコレや東京コレクションなど)などでお披露目される。雑誌なんかにもこの春夏のトレンドとして紹介されて、実際に流行を作り出す。結構時間がかかるんだよ。だから2年前には決めておかないといけないみたいだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

ちゃんと計画してるんだね!流行色を決めて良い事って他にはあるの?

服を安価で買えるのは流行色が決まっているおかげ?

他には、流行色が決まっていると、服を安く買えるようになるね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

どうしてどうして?あんまり関係なさそうだけど!

流行が先に分っているという事は、あれこれ売れるか売れないか分からないものを分散して作る必要が薄れるよね?ファッション自体はどういったものが売れるかは予想できない事が多いけど、流行色はある程度決まっているから、同じような色のものを大量に作れる。そうなると全体的にコスト(商品を生産する為に必要な費用、お金)が少なくて済むようになるね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

売る側の人たちが流行色を先に分っていたら、それを狙って大量に作っておけてコストが少なくなって、売れ残りも少なくなるって事か〜!よく考えられてるね!

そうだね。だから日本のファッション業界を考える時に、日本のファッション業界だけが集まって考えるだけじゃダメなんだ。世界の流行に携わる国が一堂(いちどう:同じ場所、建物)に集まって、同じ答えで動かないといけないんだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

わかった!ディアボロ先生ありがとう!僕はこれから流行に敏感な熊になるよ!

それも良いけど、本当に欲しい物を買ったら良いと思うよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り