バイオエタノールって何?

バイオエタノールを燃やしても大気中のCO2濃度は増えないと言われていますが本当でしょうか?再生可能エネルギーとして世界的に期待されていますが、日本ではまだまだバイオエタノール自給率は低いのが現状です。そんなバイオエタノールの疑問、そしてそもそも何なのかを一緒に見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!バイオエタノールって何?

まずバイオという言葉は「生命の」とか「生物の」という意味があるよ。そしてエタノールはエチルアルコールとも言うように、お酒などに入っているアルコールのことだね。バイオエタノールは「生物由来のエタノール」で、「生物由来の燃料」として使われる言葉だね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

燃料って石油だけじゃないんだね!生物から燃料を作るってどういうこと?

お酒のアルコールは植物から作られる

お酒のアルコールは植物の糖を酵母で分解してるくられているんだよ。それと同じでバイオエタノールも植物の糖を利用している。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

お酒もエタノールだもんね!じゃあ作り方は一緒なのか〜。糖が多い方がいっぱいエタノールができるってこと?

そうだね。アメリカではトウモロコシを主にバイオエタノールの原料としているし、ブラジルでは主にサトウキビをバイオエタノールの原料としているよ。オーストラリアでは甜菜(てんさい)がバイオエタノールの原料として使われている。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

甜菜(てんさい)ってどんな植物?

バイオ燃料に使われる甜菜(てんさい)って何?

甜菜(てんさい)

甜菜(てんさい)は写真の通り根菜なんだけど、砂糖の原料になるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そういえば砂糖って何からできるのかって考えたことなかったな!この甜菜から砂糖が作られるの?

甜菜の根っこの部分を絞って煮詰めたら砂糖が出来るんだよ。世界の砂糖生産量の約40%はこの甜菜なんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

へ〜!知らなかったな!40%?他にも砂糖の原料になるものがあるの?

世界の砂糖生産量の約60%はサトウキビだね。だから砂糖はサトウキビか甜菜から作られているよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうだったんだ!じゃあそんなサトウキビをブラジルで、甜菜をオーストラリアでバイオエタノールの原料として使っているのか!やっぱり糖分が多い方が良いってことだね!

食べ物以外の植物からバイオエタノールを作る

マー君
マー君

竹からバイオエタノールを作れるんだ!セルロースを分解して糖を作ってエタノールを作るんだね?セルロースって紙の原料だよね?そんなものからでもバイオエタノールが作られるなんて、一つの物質でいろんな用途があるのってなんか不思議だな!

その観点は大事だね。例えば石油も燃料になるだけじゃなくて、プラスチックや発泡スチロール、ビニール袋などにもあるし、薬の原料としても使われている。植物のデンプンを分解して糖にして発酵してアルコールを取り出せばお酒や燃料に変えられる。もちろんデンプンは食べれば消化酵素で糖になって人間や動物のエネルギーにもなる。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そっか!今までにあったものでも、同じ物質で違う使い方をするものってたくさんあるんだね!ほとんど不要なものが社会に役立つものに変えられるってすごい発明だよね!

手付かずの竹林を整備することにつながったり、減反(げんたん)政策で米の栽培を制限された農家が、今後制限されずにすんだり出来るなら、それは素晴らしいことだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

日本はあんまり石油が出ないからほとんど輸入してるよね?日本はバイオエタノールを自分たちでたくさん作れば良いよね!

バイオエタノール自給率が極端に低い日本

でも、まだまだ日本のバイオエタノール自給率は先進国の中でも極端に低いんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

本当だ!98%は輸入に頼ってるんだね。

バイオエタノールを含んだガソリンで走る車もあるし、そういう風に燃料の原料を多様化していくことで、石油の枯渇に備えることができたりするよね。もちろん今後EV(Electric Vehicle:電動輸送機器)車がさらに普及することも大事だよね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

バイオエタノールで走る車ってもうあるんだね!

ブラジルはバイオエタノール先進国

アメリカではガソリンにバイオエタノールを10%混ぜたもので車が走ってるし、EU諸国では85%の割合でバイオエタノールが入ってるガソリンもある。だけど、ブラジルではバイオエタノール100%のガソリンがある。しかも普通のガソリンよりも約70%も安いから、多くの人がバイオエタノールガソリンを選択しているみたいだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

日本よりバイオエタノールの使用は進んでいるんだね!

ブラジルは1930年代に政府がガソリンにバイオエタノールを5%含む事を義務付けた。バイオエタノール利用の歴史は非常に長い国なんだよ。2003年にフォルクスワーゲンっていう車の会社がバイオエタノールの含有率が何%でも走れるフレックス車というのを開発したんだ。それがブラジルでは人気になって、ブラジルの新車販売台数の90%以上がこのフレックス車らしいんだ。おかげでバイオエタノールガソリンの利用も進んだんだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

これから日本も再生可能エネルギーで走る車が増えたら良いね!竹とかでバイオエタノールがどんどん作れるようになったら石油の利用の減るしね!

1985年に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という映画が人気で、私は子どもの頃、何度もこの映画を見ました。タイムスリップ出来るデロリアン(車)に主人公と博士が乗って過去や未来に行くというSF物語です。この映画の中で、タイムスリップ出来るデロリアンの燃料が初めはガソリンだったのに、映画の最後にはジュースやゴミを燃料タンクに入れて走れるというシーンがありました。

それが私の中で強烈な印象として残っていて、そんな時代がいつかくるのかと想像していました。もちろんタイムスリップや空飛ぶ車にも憧れましたが。

それが、今やバイオエタノールで走る車が当たり前の国があり、そのバイオエタノールがほとんどどんな植物からでも生成可能というのです。こういった発明には今でも感動してしまいます。

今後は植物だけでなく、路上に落ちているゴミなどからでも本当にエネルギーを生み出せるようになるかもしれません。そういったSFチックな妄想を人類は現実にしてきました。

昨今の環境に対する世界的な関心の高さは、経済成長の足かせになるのではなく、更なる経済成長のカンフル剤になるはずです。さらに多くの人が再生可能エネルギーに興味を持って、投資をしたり意見を出し合う事は、経済成長だけでなく、環境にもよく、私たちの暮らしをさらに良くするものになるでしょう。

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り