子どもにカフェインは問題ない？

コーヒーにアルコールは入っていないけど、カフェインが入っているよ。カフェインは摂り過ぎると中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらす事があるんだ。

カフェインは医薬品としても使われるもので、中枢神経を興奮させたり、体を活性化させる働きがある。もちろん大人も摂り過ぎは良くないけど、子どもの場合まだ体が成長している段階で、各器官が未発達。さらに体重が大人に比べて軽い。大人と同じような量を摂取しても、体重比で考えれば多く摂取する事になるよ。

日本には明確に一日どれだけカフェイン摂取しても良いかという基準はないけど、カナダ保健省は基準を設けているから一緒に見てみよう。

デカイね。熊だもんね。でもまず年齢で見てみよう。７〜９歳だと６２.５mgとなっているから、コーヒー一杯も飲めないよ。

コーラには10～13mg/100ml程度のカフェインが入っているね。もしペットボトルの500mlを飲み切ってしまったら50〜65mgのカフェインを摂取する事になるよ。

もちろんあるよ。アルコールに強い人もいれば弱い人もいるみたいにね。でも、めまいなどの症状がなくても、子どもがカフェインを過剰に摂取する事によって脳が刺激されて「落ち着きがなくなる」「多弁（たべん：口数が多くなる事）」「不眠」「興奮状態」になり、カフェインが切れた後は「抑うつ（心がふさいで不快なこと）状態」「眠気」「だるさ」「集中力低下」「積極性の低下」が起こると言われている。

カフェイン自体は医薬品としても使われているからね。アメリカのウィスコンシン州の公立高校で、給食をジャンクフードから合成着色量や保存料を含まないものに変え、自動販売機を撤去して水だけすると、生徒たちの行動が落ち着いて集中力が上がったという話がある。要因はそれだけではないにしても、食事によって脳の活動が変わる良い例だね。

子どもは摂取しても良いカフェインの量が比較的少ないから、すぐにカフェイン過多になりやすい。だから子どもにコーヒーやコーラなどをたくさん飲ませない方が良いという事は分かったと思うけど、妊婦さんがコーヒーなどのカフェインを含む飲料を飲むと、胎児にカフェインが届いてしまう。

実は母体と胎児は血液を共有していないんだ。胎盤は母体と胎児間の関門 としての役割があって、それを胎盤関門と呼んでいるよ。胎盤は母体と胎児間の栄養輸送、ガス交換、ホルモン産生など様々な機能があって、胎盤関門は母体から胎児への薬物（異物）移行 を阻止するバリアの機能があると言われている。

その通り。カフェインは胎盤関門を通過してしまうから、母体と胎児の血中カフェイン濃度が一緒になる。だけど、胎児の方は肝臓の機能が未熟だからカフェインを排泄できずに体内に高濃度のカフェインがとどまることになる。

さらに、妊娠中はカフェインを分解、排泄するのに時間がかかるんだ。妊娠末期は代謝が通常の３分の１になると言われている。だから、カフェインの胎児への影響は大きいと言える。

そうだね。基準は上の通りだけど、だいたい健康な成人の最大摂取量の半分くらいだね。

そうだね。チョコやココアのような食べ物にも含まれているから、ゼロにはできない。だけど、摂取しすぎないようにしないといけないから、まずはカフェインの多い飲み物をチェックして、飲み過ぎないように気をつけよう。

そうだね。「あらゆる物質は毒であり、無毒なしになにもない。分量のみが毒でないものにする。」とパラケルススというヨーロッパ近世のお医者さんが言ってたそうだ。だからカフェインを飲んで朝からシャキッとする効果を感じる人はいるだろうし、過剰摂取で頭痛や吐き気を伴う人もいるかもしれない。