マスクってどんな効果があるの?
新型コロナウイルス予防の観点から、マスクの着用がルール・マナーとなった昨今。マスク会食なんてものも話題となりました。そんなマスクですが、実際に感染症予防にどれ程の効果があるのでしょうか?どのような構造で、どのように効果を発揮しているのか?着用の仕方によって効果も変わるというマスクを、様々な角度から見ていこう。
マスクの編み目はウイルスより100倍大きい?
ディアボロ先生!新型コロナウイルスが流行してから家を出たらみんなマスクしているけど、マスクの網目ってウイルスよりも大きいって聞いたよ!それじゃマスクする意味ってないんじゃないの?
よく知っているね。確かに市販のマスクの網目は5μm(マイクロメートル)〜100μmで、ウイルスは約0.1μmだから、ウイルスよりもマスクの編み目の方がかなり大きい事が分かるね。
1μm(マイクロメートル)= 1mm(ミリメートル)の1000分の1
100倍くらいの差があるんだ!じゃあやっぱりマスクって意味がないんじゃないの?
マスクはウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)を抑える
マスクはウイルスそのものを捉える(とらえる:人や動物などを取り押さえて逃げないようにする)んじゃなくて、ウイルスを含んだ飛沫(ひまつ:しぶき)を捉えるんだ。
飛沫?
飛沫はしぶきのことだけど、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、主に飛沫感染だと言われている。飛沫は咳やくしゃみで飛び散る上、会話するだけでも出る。特に大声での会話は飛沫粒子が大量に出る。
マスクはその飛沫をキャッチする働きがあるんだね!
飛沫粒子の大きさは5μmだけど、市販の不織布(ふしょくふ)マスクの編み目の大きさはは5μm以上。ただ、不織布マスクは多重構造だから飛沫粒子を捉える効果が確認されているんだよ。
不織布(ふしょくふ)・・・一般的な布は繊維を糸状にし織るのに対し、不織布は繊維を熱、機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事で布にしたもの。
不織布マスクは隙間から飛沫が出てるけど、マスク自体からはあんまり飛沫が出てないね!
そうだね。という事は、マスクをつけていない時に比べて前にいる人に直接飛沫をぶつけてしまうリスクを下がる事が分かるね。
思ったんだけど、マスクって自分が感染したくないからつけるというより、感染させたくないからつけるものなの?飛沫を飛ばさないのは大事だけど、自分を守るためにはマスクは意味ないの?
マスク着用で感染症の重症化を防げる?
アメリカの国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)の研究によるとマスク着用でマスク内の湿度が上昇する。湿度が高いと、気道が潤う。高湿度状態はインフルエンザの重症度を緩和するとされていて、COVID-19(いわゆる新型コロナウイルス)も同様のメカニズムが当てはまると考えられている。
確かにマスクすると湿度があがるよね!メガネくもってる人よく見かけるし!
呼気(こき)はそれだけ湿度が高いという事だけど、湿度が高いと気道が潤って免疫系が有効に働くとされている。逆に乾燥すると粘膜が炎症を起こしやすくなって、ウイルスを防御する力が衰えてしまう。
じゃあマスクをする事で湿度を保って、色んな感染症を予防したり重症化を食い止めたり出来る可能性があるんだね!
マスクの高湿度で熱中症?
感染症予防には湿度が重要だという事は以前から言われていたんだ。乾燥の季節はマスクの着用が有効だと言われるけど、夏の時期は熱中症に気をつけないといけない。
確かに暑い時期にマスクするのって苦しいよね!今はコロナ禍(か)って言われるような時だし、夏でもマスクしなきゃいけないけど、熱中症も予防しないといけない。どうしたら良いの!?
そもそもマスクの有効性を考えれば、他人に飛沫を飛ばさない事と、湿度を保とうというこの大きな二点がある。もし、どちらも考える必要のないような真夏の屋外で、周りに人がいないような場所ではマスクをする必要がそもそもない。もちろん、自宅でマスクをする必要もないよね。
そうか!でも、屋外でも全く周りに人がいない時ってあまりないような・・・。どれくらい人と離れていたらマスク外して良いの?
飛沫の飛ぶ距離は2〜5m程度と言われているんだけど、実際に保菌者の口から出た飛沫が周囲の人の口や鼻に到達して感染を引き起こしうる距離(飛沫感染する距離)は1m程度と考えられている。だから、2m以上人との距離が取れるのであれば、マスクを外しても良いと考えられるね。
それなら、人混みに行かなかったらマスクを外すタイミングは結構ありそうだね!
マスクはどれくらいで交換した方が良い?
ディアボロ先生!マスクって毎日交換した方が良いの?
一般社団法人日本衛生材料工業連合会(JHPIA)によると、1日1枚程度を目安に交換が目安だそうだ。マスクは呼気で湿ってしまうので、長時間の使用で雑菌が繁殖する。匂いを感じても交換した方が良いようだね。
やっぱり毎日交換だよね!
使い捨て不織布マスクができるまで
実際に不織布マスクができるまでを見てみよう。
折り目をつける事で顔にフィットさせるのか〜!色々工夫しているんだね!
不織布マスクは布マスクに比べてマスクを透過して飛沫が出る割合が低い。だけど、マスクの上の部分から飛沫が拡散しやすい。そういった隙間を埋めるように折り目をつけたり、針金をいれたり工夫しているんだね。
スーパーコンピューター「富岳」によるマスク着用時の飛沫拡散シミュレーションによれば、不織布マスクは布マスクに比べて飛沫拡散防止に効果がある事がわかった。しかし、布マスクの効果がないというわけではなく、もし布マスクしかないのであれば、COVID-19予防にはそれを使うべきであるというのが結論だ。
飛沫感染が主な感染経路だとされているCOVID-19だが、その対策には疑問点が数多く存在する。例えば、映画館や美術館への休業要請や、図書館の休館などである。
そもそも会話がほとんどない施設でも休業しなければならないことに疑問を持つ人は多い。もし、こういった施設が休業しなければならないのであれば、電車やバスなどの公共交通機関はどうだろうか。コンビニやスーパーはどうだろうか。
娯楽施設だからという理由だけなのであれば、ゲームセンターやスポーツ観戦、はたまたスポーツそれ自体もNGとなるはずであるが、オリンピックは現時点で開催予定である。
どうも理解し難い対策と、長い自粛期間とその予定にない延長によって、国民の多くは疲弊し、緊張の糸が切れるのは理解できる。しかし、そんな中大都市東京と大阪では感染確認者数は減少傾向を見せている。一体どの対策が功を奏したのだろうか。
ワクチン接種もまだほとんど進んでいない中で感染確認者数が減っている現状をどう理解すれば良いのかわからない人は多いのではないだろうか。
日本国民は欧米の人々に比べ、他者とのスキンシップが少ない。ハグや握手は日常で行う者はほとんどいない。そういった文化の違いかDNAの違いなのかは分からないが、ほとんど対策を取っていない状態でも日本の感染確認者数は非常に少ない。
ワクチンパスポートなどという言葉があるが、日本人であるというパスポートの方が、アメリカ人のワクチンパスポートより幾分か信頼性が高い。
ある程度、衛生環境の整っているハグや握手の文化がないような、人との距離をある程度とる文化を持つ国の感染が少ないとすれば、やはり飛沫感染だというのは頷ける。
なぜなら、飛沫による感染リスクが高い距離は1m程度までだからである。
何にせよ、感染拡大を食い止めるには、様々な対策が必要だが、休業要請(要請と言いつつ休業命令になっている)をするなら、しっかり補償はセットであり、補償を早急に実行しなければ、個人商店などは軒並み潰れてしまう。
そして、そのような状態が続けば、今関係のないと思っている人にも日本全体の不況の影響を受ける時がくるかもしれない。
だからこそ、政府の策に関してしっかり興味を持ち、何が適切な策なのかを自分でも考え意見でき必要があるのではないか。その為には、マスクの効果がどれくらいあるのか、人との距離はどれくらい取れば良いのか、空気感染のリスクはないのか、そもそもアルコールはなぜ細菌を死滅させるのかなどに興味を持って学んで見てみてはいかがでしょうか。