錯視って何?

私たちはいつも見たものが正しいと思っている。百聞は一見にしかずとはよく聞く諺(ことわざ)の一つだ。しかし、私たちがいつも見ている世界は実際のものとは違った世界を見ているかもしれない。

マー君
マー君

ディアボロ先生!錯視って知ってる?上の画像の縦の線って実は同じ長さなんだって!学校で物差し使って測ったら一緒だったよ!こんなの見ちゃうと僕はいつも錯覚していろんなもの見てるのかなって思っちゃったよ!

実はその通りなんだよ。私たちが見ている世界はほとんど錯覚して認識(にんしき:物事を見分け、本質を理解し、正しく判断すること。)しているという事が分かっているんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

やっぱり〜!?例えばどんな事?

私たちは錯視の世界で生きている

垂直水平錯視(ディアボロ作)

まず、この垂直水平錯視を見てみて。縦と横の線はどちらが長いと思う?

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

これは間違いなく縦の線が長いね!

そう見えるよね。でも縦も横も同じ長さなんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

これ一緒なの!?初めの写真は何とか頑張ったら同じ長さに見えなくもなかったけど、これは一緒に見えないよ!

そうだよね。だけど、体を横にして見てみて。で、図の中心あたりをボ〜っと見てみると、だいたい同じ長さに見えてくるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

え〜・・・。本当だ!これも錯視だったのか〜!

この錯視量は、だいたい縦の方が1割程度長く見えるんだけど、大きなものになると4割くらいも大きく見えてしまったりする。だから、普段見ているビルとか鉄塔は、実際よりも高く大きく見えている。つまり、私たちが普段見ている世界は実際の大きさを正しく反映していないんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあ僕が感じた疑問は正しかったんだ。じゃあ道に横たわったらビルや鉄塔の高さを正しく見られるんだね?

そうだね。自転車にひかれないようにね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

錯視その他いろいろ

ミュラー・リヤー錯視
正方形・ダイヤモンド形錯視
ツェルナー錯視

上の3つの錯視は北岡明佳氏による作図。北岡明佳の錯視のページ←HPはこちら

マー君
マー君

錯視に慣れてきたよ!上は初めの図だよね!横の直線が同じってやつだね。これもやっぱり下の方が長く見えちゃうな〜。四角形のやつは同じ大きさだけど傾けたら大きく見えるんだね?確かに大きく見えるけど、さっき教えてもらった体を傾けて見る見方なら同じ大きさに見えるね!下のツェルナー錯視はどうやって見ても4本の直線は平行に見えな〜い!

マー君も錯視のトリックを見破れるようになってきたね。でもツェルナー錯視はどの角度から見ても平行には見えない。ミュラー・リヤーの錯視と似てて、姿勢を変えても正しく見るのは難しいね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

私たちの脳は簡単に騙される?

マー君
マー君

ディアボロ先生!この動画、ボールが坂を登ってるよ〜!

そのように見えるよね。面白い錯覚だね。他にも不思議すぎてトリックが分からないものもあるね。でも、なぜそう見えるかを自分で考える事がとても良い勉強になるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

鏡を使ったトリックは見える角度の違いを使ってるんだよね。たぶん他のもそうでしょ?でもこんなのよく思いつくよね!

その視点も大事だね。答えが初めにあって、その問題の答えを探すより、そういう原理を発見する方がよっぽど難しくて、大切な事なんだ。今まで見てきた錯視や錯覚を使ったトリックに、初めに気づいた人は本当にすごいよね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そういう人たちって普段から何か「あれ?」って疑問に思うことが多いんだろうね!

日本の学校ではテストが多いようです。テストとは答えが先に用意されていて、問題が作られています。そういった暗記力や計算力は大事ですが、子どもは常に自由な発想ができる存在です。それは大人になるまでの過程であり、常識とは何かという固定観念が形成される前の段階だからです。そんな柔軟な子どもたちにとって大切なことは、暗記や計算ではなく、疑問に思う事だと思います。その疑問に対して仮説を立て、その仮説が正しいのかどうかを考える。この自分で考える力こそが今までも、そしてこれからの大人の社会でも求められる力です。用意されたものを処理するならこれからAIでも十分可能でしょう。しかしイノベーションは疑問を持つ力、そしてそれを解消する力によって生み出されるはずです。そんなビジネスの話だけでなく、思想や哲学、これから先の今までよりも素晴らしい常識を作り出すのは、現在の否定が必要です。新しいものが全て正しい訳ではないでしょうが、それ自体にどのような問題やどのような良い点があるかなどをしっかり考える力は、暗記力だけではなく、間違いなく自分で考える力が必要です。物事の視点を少し変えれば見える世界も変わる。そういう発見を子どもたちには多く経験して欲しいと思います。

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り