酒は百薬の長なのか？

先生も飲むよ。大人になるとビールも美味しく感じるようになるんだよね。もちろん嫌いな人も多いけどね。

確かに依存症になると辞めることが難しいし、やめた後も何度もお酒に手を出してしまうことがあるし、完全に断酒できる人は30%程度と言われているね。

なりやすい人となりにくい人はいるようだけど、マー君の言う通り、多量の飲酒がアルコール依存症の引き金になるのは間違いないね。

男性の場合、一回の飲酒量がビールの場合500mlの缶3本。日本酒500ml。ワイン600mlくらいと言われているよ。女性の場合はこの半分くらい。体格にもよるし、お酒に強い弱いが関係しているから目安だけどね。

言い切れないけど、普段飲んでる量が増えてきたら注意しないとね。

これも個人差や環境によって違うけど、習慣的な飲酒をしはじめてから男性で15年から20年、女性で5年から10年で発症する言われているよ。

20歳未満のアルコール依存症発症までの期間は数ヶ月から2年と言われている。大人よりも早期に発症してしまいやすいからかなり危険だよ。

それだけじゃなくて、子どもは脳や体が成長している段階で、そんな中で飲酒を繰り返すと発達に悪影響があると言われているんだよ。

例えば、脳が成長している段階でお酒を飲むと脳細胞が破壊されたり、早期に脳が萎縮する可能性があると言われている。たくさん勉強する時期にこんなことが起こってしまったら大変だよね。

アルコールが性ホルモンに悪影響があると言われていて、男の子ならインポテンツ（男性の性的不能のこと）、女の子なら生理不順や無月経になるリスクがあるよ。

昔から酒は百薬の長と言われている通り、一部の病気にとっては少量の飲酒はリスクを下げてくれる働きがあると言われているんだよ。

例えば、虚血性心疾患や二型糖尿病、脳梗塞のリスクは少量の飲酒がリスクを下げると言われている。ただし、大量に飲んで酔っぱらうような飲み方は、逆にリスクを高めるよ。

そうだね。LDLコレステロールを下げる働きがあると言われているから、軽い晩酌は良いと思うよ。ただし、残念なことに高血圧や肝硬変のリスクはお酒を全く飲まない方が低いから、どちらが良いとは言えなさそうだね。

お酒は人生を豊かさせてくれるんだよ。

ドイツは14歳になったらお酒を飲んでも良いんだよ。

そうなんだよね。一応ドイツでは14歳になったらお酒を飲んでも良いってことになってるけど、親が一緒の場合に限ると法律で決まってるんだ。

そうかもしれないね。自分がどれだけ飲めるのかって飲んで初めて分かるし、先に親に飲み方を教えてもらうという方が良いと思っているのかもしれないね。ドイツはビールが美味しい国で、水やコーラを買うのと同じような値段でビールが買えるから、お酒は身近な存在なんだろうね。

その通りだよ。むしろ日本人がお酒に弱いという見方も出来る。理化学研究所の分析で、日本人はアルコール分解酵素が弱いタイプが多いんだそうだよ。

理研は、日本人はアルコールに弱い体質が何らかの理由で環境への適応に有利に働いたとみられると説明しているんだけど、その理由は未だ謎のようだね。今後その理由が明らかになるかもしれないよ。

アルコール依存症も抜け出したいと考えて、苦しんでいる人たちが大勢いるよ。日本ではアルコール依存症の人は100万人もいると言われているんだ。だから、まずはアルコール依存症になる前は、普通にお酒を楽しんでいただけの人も多いことを知って、習慣的にお酒を飲む人の誰にでもなってしまうリスクがあることを知っておいた方が良いね。

そうだね。真面目な人で、なんでも自分に負担をかけてしまう人がお酒に逃げてしまうということもあるみたいだし、そんな人をまた責めてしまわないようにしてあげたいね。ただ、家族は大変だと思うから、家族も含めたケアが出来れば良いね。

専門の病院に入院したりリハビリしたりできるよ。他にも自助グループがあって、例えば断酒会っていうのがあるよ。アルコール依存症の人が一人で悩むんじゃなくて、他にも苦しんでいる人の告白を聞くことで、自分を客観的に見る機会になったり、断酒の継続を促す働きもあるみたい。家族も参加出来るから悩みを打ち明けて気持ちを楽にできる場になってるようだね。他にも色んな団体があるから調べてみてね。