チョコってどうやって作られてる?

子どもから大人まで好きな人が多いチョコですが、どうやって作られているのかを実際に見る機会はなかなかありません。原材料の原産国の抱える問題から製造工程まで一緒に見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!ママが買ってきたチョコが苦くて食べられなかったんだ!僕の知ってるチョコは甘くて美味しいのに。カカオ100%って書いてあったんだけど、カカオって何?

カカオはチョコレートの原料だよ。カカオはココアの原料でもある。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

チョコレートの原料はカカオの種

カカオの実は甘くて美味しいんだけど、チョコレートの原料となるのはカカオの種の方。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

種がチョコになるの?果物って実は甘いけど種は美味しくないイメージなんだけど。

そうだね。カカオの種も甘くないよ。マー君が食べたカカオ100%はいわゆる味付けをしていないカカオの種本来の味を楽しむものだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そっか!カカオの種に味付けをして僕の好きなチョコになるんだね!

マー君の好きなチョコはミルクチョコレートだろうね。ミルクチョコレートは砂糖、粉乳、カカオバターを混ぜてあるから甘みがあって美味しいチョコだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

カカオ100%は大人の味だね。僕はミルクチョコレートが良い!

先生もカカオが多いのは苦手だよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

チョコレートの製造工程

マー君
マー君

うわー!チョコレート工場で働きた〜い!

つまみ食いは出来ないよ。でもチョコレートの香りに包まれながら働くのは良いかもね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

チョコレートの原料のカカオは日本で育ててるの?

カカオの育ちやすいのは赤道付近

カカオは平均気温27度以上と高温な地域で、年間雨量が2,000mm以上の高温多湿の地域で育つから、日本では育てにくいだろうね。これらの条件をクリアできる地域は赤道付近の国。だから世界でカカオ豆をたくさん生産している国は全て赤道付近の国だよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
外務省HPより 2016年統計
マー君
マー君

本当だ!じゃあ日本はカカオ豆を輸入しているんだね!

日本がカカオ豆を輸入している国はたくさんあるんだけど、ダントツで一番輸入している国がガーナだね。2018年には4万トン以上ガーナからカカオ豆を輸入している。これは全体の74%以上。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

ガーナってどんな国?

マー君
マー君

ガーナってサッカーが強い国だよね!

そうだね。ガーナはカカオの輸出以外に金や石油も輸出している国だよ。それに野口英世が黄熱病の研究中に病気にかかって亡くなったのがガーナだね。今では日本政府によって野口英世記念研究所がガーナ大学の中に設立されていて、今でも伝染病の研究が続けられているようだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

野口英世が亡くなったのってガーナだったのか〜。

児童労働とは?

ガーナのカカオ農家では、安い労働力として子どもがカカオの収穫や雑務を行なっているんだ。日本のNGO団体の働きかけによって、企業もガーナのカカオ農家への支援をするなどして、数は減少しているものの、世界に児童労働人数は1億6,000万人いると言われている。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

僕と同い年くらいの子が学校に行けずに働いているんだね。しかも、働き方はほとんど奴隷だよね。学校に行って勉強するというのが当たり前じゃない世界があるって知らなかったよ。

しかも、そんな子どもたちは日本の人口よりも多いんだよ。私たちが普通だと思っている世界は、飛行機で十数時間のところでは全く普通ではなかったりする。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

学校に行けば勉強できて、もっと良い仕事が出来たり、幸せになれるかもしれないのに、お家の事情によって勉強すらできないなんて可哀想だね。

そうだね。さらに、子どもを働かせていることによって大人たちの仕事場を奪っているという悪循環も指摘されている。本来、大人がしっかり働けて、子どもはしっかり勉強できる社会が理想だろうけど、そこにまで着手出来ていない地域はたくさんあるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

働かされている子どもたちはかなり過酷な労働だよね?怪我とか病気にならないのかな?

怪我や病気になっても日本みたいに近くに病院がある訳じゃないし、そもそも家が貧困だから子どもたちが働いている訳だから、すぐに病院に行ける訳じゃないみたいだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そりゃそうだよね〜。同じ人間なんだもんね。過酷な労働に耐えてるからって超人みたいになれる訳じゃないよね。

彼らは学校に行けないから、大人になっても働ける場所は変わらないんだよ。だからずっと過酷な労働をせざるを得ない。自ら進んで自由に職業を選択できないし、使われるだけだからマー君が言うように彼らはほとんど奴隷と言っても良いような生活をしているね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

世界中でって事はカカオ農家だけじゃないんだよね。僕たちが身につけてる服とかも、元々児童労働があって成り立ってたりするんだろうね〜。

服の素材であるコットン農家でも児童労働があるね。農薬による健康被害や誤飲による死亡事故もある。私たちが消費するものの源流にそういった問題がある事は多くの人に知っておいて欲しいね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

明治(meiji)の取り組み

日本企業の明治は、「メイジ・カカオ・サポート」として、ガーナ、エクアドル、ベネズエラなどのカカオ産地で生産者向けにスクールを開いている。目的としては、より良い品質のカカオ豆を作られるようになる事で、高価格でカカオ豆を取引できる。明治はより良いカカオ豆が手に入るし、カカオ農家は貧困から脱出できるかもしれない。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

企業が農家を助けるんだ!それは良い事だよね!児童労働の解決にもなるんじゃないの?

なるかもしれないね。明治としては農家を守らないとチョコの原材料であるカカオ豆が手に入らないから絶対に助けないといけないよね。結果的にそれが貧困地域の救済になるのであれば、ぜひその活動を続けて欲しいよね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

切っても切れない関係ってやつだね!明治には頑張ってもらわないと僕のミルクチョコレートが手に入らなくなっちゃう。

私のミルクチョコレートでもあるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

どこの企業も仕入れは安くしたいものです。商売の基本は安く仕入れて高く売るです。その逆は商売になりませんし、働いている従業員にお給料を払う事さえ出来なくなります。しかし、行き過ぎた仕入れの安さは、生産農家や下請け企業の存続を危機に晒すことになります。

企業とはそういう体質のものですので、どこかで制限を効かせるような働きかけが必要になります。それがNGO団体であったり一般市民の声であったりします。

もし、世界中の私たちのような一般市民が、搾取される弱い立場の存在を知らなければ、格差はどんどん広がる一方で、奴隷のように扱われる子どもたちは少なくならないのです。

私たちが無知であればあるほど、力弱いものは虐げられる世界から抜け出せません。まずは、私たちの身のまわりにあるものは一体どのように作られているのか。どこで生産されているのか。どんな人のおかげでそれが成り立っているのかを知るのは重要なことです。

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り