EUって何?

EUという言葉はニュースで良く聞きます。ヨーロッパの国々が集まって協力しあっているという印象があるかもしれません。学校でも習いますが、EUの歴史を振り返りながら確認していきましょう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!EUって何?

EUとはEuropean Unionと言って、欧州連合の事だよ。欧州はヨーロッパだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

ヨーロッパの国々がEUに入ったら何か良いことがあるの?

EUに加盟すると軍事力が安く手に入る?

EUに加盟すると、自国の軍事費を安くできるんだ。日本だったら大国アメリカと同盟を結んでいるから国防費は抑えられる。でも、同盟などを結んでいない国は自国だけで国を守らなければならないから、自ずと国防費は膨らむ。EUに加盟すると、EUという一つの大国として軍隊を運用することになる。ヨーロッパ国みたいな感じだね。だから国防費を抑えることができるんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
出典:防衛省HP防衛白書
マー君
マー君

それでもものすごい金額が防衛費に当てられてるんだね〜。

今の世の中は一見平和に見えて、戦争はまだ続いているよ。大量に人は死んでいなくても、スパイを送り込んだり、破壊工作をしたりしているよね。第二次世界大戦後は戦争が起こらないと信じている国はないから、常に国防に関しては費用をかけたり、同盟などの策を講じている訳だ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあヨーロッパの小さい国はEUに加盟していると安心という訳だね。僕たちが平和だと思っている世界も、常に威嚇しあっている関係なんだな〜。外交とか笑顔でやってる裏には別の顔があるんだね。

EUに加盟すると他国間移動が楽になる?

EUに加盟している国同士の国境を移動するときはパスポートが要らないんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうなんだ!そうなったらもう一つの大きい国って感じだね!

通信費も安く抑えられていて、本当に外国に行く感覚じゃないのかもしれないね。他の国に気軽にいけるからいろんな商品も流通できるね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

EUの通貨はユーロ

注意:デンマーク、 スウェーデン、 イギリス、 ブルガリア、 チェコ、 ハンガリー、 ポーランド、 ルーマニア、 クロアチア はそれぞれ自国の通貨を使っています。

ヨーロッパ各国にはそれぞれ自国の通貨があったんだけど、EUに加盟すると通貨はユーロになる。もし日本人がアメリカに行ったら、円をドルに変えないと使えないでしょ?でも、EU内だったらユーロだから、自分の国でするように気軽に買い物ができるんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

それは便利だね!いちいち交換するの面倒だしね!

そうだね。為替が変動して価値が一定でないのも面倒なところだね。ただし、国の経済力が一定ではないのに、通貨は同じというのは大きな問題が起こるんだ。例えば、もし共通の通貨じゃなくて、独自の通貨を使っている場合、自国の経済が悪化しているときは、金利を下げることによって、自国通貨の価値を相対的に下げて、輸出を増やしたり、お金が出回るようにすることが出来るんだけど、共通の通貨を使っていると、そういった金融政策が単独でできなくなる。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあ、アメリカみたいな色んな州が集まってアメリカ合衆国になってるみたいな感じかな?

昔イギリスのチャーチル首相はヨーロッパのあるべき姿をヨーロッパ合衆国と表現した。関税もないし通貨も同じ。軍は協力体制だから、本当に合衆国みたいだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

EU間は無関税

マー君
マー君

関税がないってどういうこと?

関税は、外国から輸入した物に課す税金のことで、関税がないってことは、EU間であれば輸入を気軽に行えるということだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあEUじゃない他の国から輸入する場合は関税がかかって余計にお金を取られるんだね?でも何でそもそも関税なんてあるの?

例えば日本ではお米を作ってるよね。海外から安いお米を簡単に買えるようになったら、日本の農家が全然儲からなくなってしまって農業が衰退してしまう。そうなると、農家が大変なだけじゃないんだ。もし日本の農業が衰退して農家の成り手がいなくなった時に、お米を輸入していた国が価格を上げてきたら、結局日本人は今までと変わり無いような価格でお米を買わないといけなくなる。それは結局自国の農業を衰退させるだけになるよね。これは農業だけじゃなくて、他の産業にも同じようなことが言える。輸入ばかりに頼りきってしまうと、日本の生産能力が落ちてしまって、結局経済力が落ちることになるんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあEUは関税がないって駄目なんじゃないの?あっそうか!EUの中だけだから良いのか!

そういう事だね。欲しいものが安く手に入るEU加盟国から物を買うようになると、EUの活性化につながるよね。はじめに言ったけど、戦争はしてなくても、いつか戦争が起こるかもしれないと各国は危惧(きぐ:うまくいかないのではとあやぶむこと)している。だから、仲間同士の結束を高めるのと同時に仲間に強くなって欲しいと願っているんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

なるほど〜。だからEUの中では関税がないのか〜。

関税は誰が誰に払う?

マー君
マー君

関税って輸出する人が輸入する人に払うの?

関税は、輸入する人が自分の国に収めるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうだったの?じゃあ消費税みたいなものだね!

その通りだね。マー君が海外の商品を輸入したとしたら、通関手続きを輸送業者が代行してくれるから、関税を支払っているという感覚にならないかもしれないけど、関税や代行費用を含めた商品の価格を支払うことになるから、実際にマー君が関税を支払うことに違いはない。消費税と似ているね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

EU最大の目的は戦争の防止?

マー君
マー君

EUがある目的って他にもあるの?

EUや、EUの前身となる共同体が存在する前までは、ヨーロッパは戦争を繰り返していた地域だったんだ。陸続きで多くの国があるし、ソ連との戦争やアメリカとの戦争もあった。本当に多くの人たちが戦争の犠牲者になったんだよ。第二次世界大戦後にECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)をフランス・西ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの6カ国で1952年に設立した。これは石炭や鉄鋼という戦争兵器に使われる物を一緒に生産、管理しようという目的で作られたんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあ、一緒に強くなって、他の国から侵略されないようにしようというのが始まりなんだね?

それもあるけど、一番は第二次世界大戦の枢軸国としてドイツのナチスがひどいことをしたでしょ?だからフランスがドイツと一緒に軍需産業を共有することで両国間で戦争が起こらないようにしたんだ。あと「石炭と鉄鋼を共同で管理、事業をなすことは経済発展の基礎を建設し、ヨーロッパ連邦の第一歩を準備するだろう」と当時のフランス外相のシューマンが言っている。これはシューマン宣言というものの一文だけど、未来を見据えていたのがよく分かるね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

へ〜!EUになる前にはECSCがあったのか〜!戦争を繰り返しながら、平和になるために何が出来るか学んでいったって事かな!

そうかもしれないね。問題はあっても戦争を繰り返していた昔よりも平和だし、人種差別や性差別など、人権もしっかり考えられてきている。進歩していっていると考えられるよね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

ヨーロッパ地方の歴史は非常に長い。EUを一つの国として考えた時、軍事力は世界3位と言われている。世界からすべての武器がなくなるのが理想ではあるが、実際それはなかなか実現できなさそうだ。現時点で戦争をしている国は多くあり、決して世界が平和な訳ではないが、先進国は一定の軍事力を持ち均衡状態を保つことで平和を維持している。

EUは経済発展の為だけでなく、軍事力を集約することで抑止力とし、平和を維持する方法をとった。またそれはEU加盟国間の戦争を防止する為でもあった。

次回はEUの前身となる共同体、ECSC、EURATOM、EEC、ECを見ていく。

つづく

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り