味噌ってどうやって作られてる?

和食の定番、お味噌汁。そんなお味噌汁に使われるお味噌はどのように作られているのでしょうか?お味噌のような作り方をしている他の食品はあるでしょうか。材料、製法、期間なども一緒に見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!お味噌って何から出来るてるの?

お味噌は「大豆」「麹(こうじ)」「塩」から出来ているよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

麹(こうじ)って何?

麹は麹菌というカビを米、大豆や麦に付着して培養したものだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

麹(こうじ)はカビ

マー君
マー君

麹ってカビなの?そんなの食べて大丈夫??

カビには体に害のあるものとないものがあるんだよ。例えば、ブルーチーズは青カビが生えたチーズだね。風味が普通のチーズと違って美味しく食べられているけど、青カビにも種類があって、全部が食べられるわけではないんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

じゃあ麹菌は食べられるカビってことだね!

そうだね。麹菌が大豆を発酵させて味噌が出来上がるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

発酵とは?

麹(こうじ)
マー君
マー君

発酵って何?

発酵とは、微生物が酵素を使って物質を分解して違う物質に変えてしまうことだよ。味噌の場合、微生物が麹菌だね。大豆と塩を合わせただけではただの大豆に塩をかけただけの味だね。大豆に麹菌を入れて寝かせることで、麹菌の酵素でデンプンが糖に分解され、タンパク質はアミノ酸に分解される。だから全く違った味になるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そっか!じゃあ発酵させて美味しく料理しているみたいなものだね!

発酵には時間がかかる

そうかもしれないね。麹菌に料理してもらっていると考えても良いけど、その発酵にはものすごく時間がかかって、味噌の場合はだいたい半年から1年は熟成させるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そんなに寝かせておくの!そんなの大変!お家で作れないよ!

ほとんどの人は味噌をお店で買っているよね。でもお家で作れない訳でもないよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

使う材料が少ないから簡単に見えるけど、発酵させている期間が長いから食べられるようになるまでにもの凄く待たないといけないね!僕途中で食べてしまいそう。

途中で食べちゃったらただの塩大豆だから美味しくはないと思うよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

でも、そんな塩大豆が美味しい味噌汁になると思うと不思議だね。ママにお願いしてお家で作ってみようかな!

白味噌と赤味噌 使ってる材料は一緒

マー君
マー君

僕は赤味噌の方が好きなんだよね。赤味噌は白味噌と使ってる材料が違うの?

白味噌と赤味噌は使ってる材料は一緒だよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

え〜?でも色が全然違うよ?

色味噌は大豆を茹でるんだけど、赤味噌は大豆を蒸すんだ。茹でると大豆の中のタンパク質やアミノ酸が外に出てしまうけど、蒸すとタンパク質やアミノ酸は大豆の中に残るんだ。タンパク質と糖が結びつくと赤褐色に変化するんだけど、そのおかげで赤味噌は赤褐色なんだ。この反応をメイラード反応って言うよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

メイラード反応?

お肉を焼いた時に色が変わるでしょ?初めは赤いけど、焼くにつれて赤褐色に変化するんだ。メイラード反応は常温でも起こるよ。ただし、常温の場合は長時間を要する。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

メイラード反応か!学校ではまだ習ってないな!すごいな〜。使ってる材料が一緒なのに色も味も違うのか。でも、麹菌を入れてるだけで大豆の味が変わるんだし、どっちも不思議だな!

お味噌は冷蔵保存すれば1年くらいはもつ。昔の人は保存に適している上に体に良い食べ方をしていた。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

発酵食品はなぜ世界中に広まっているのか

マー君
マー君

どうして発酵食品が広まったの?そのまま食べてもおいしいのに、わざわざ発酵させるなんて想像できないよ。だって腐ってると普通思っちゃうよね!

絶対そうだとは言えないけど、昔は今みたいに冷蔵庫や冷凍庫がないよね。そもそも保存する方法があまりなかったと言えるんだ。ヨーロッパの方だと肉や魚、乳の発酵食品が多い。ヨーグルトやチーズが良い例だね。日本には鰹節とか味噌、醤油、漬物もあるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうか!保存しなきゃいけないからなんだね!確かに僕のお家に冷蔵庫がなかったら大変だもんな〜。

今だったらそれでもスーパーに行けば冷蔵庫があって何とか食べていけるでしょ?でもそのスーパーにも冷蔵庫がないんだ。野菜はそれなりに保存が効くけど、お魚とかは難しいよね。タンパク質は体の中に保存ができないから、毎日の食事で補わないといけない。そんな時にタンパク質豊富な大豆で出来たお味噌とかチーズやヨーグルトなどの発酵食品は、生きる上での知恵が生み出したものなんだろうね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

ほんとだ〜。スーパーに冷蔵庫がないのか〜。クール宅急便もないんだもんね。冷凍庫もないから氷も作れないしね。人間の知恵ってすごいね!僕の仲間は秋までたくさん食べて冬は冬眠するからな〜。それぞれ生活があるんだね!

日本は湿度の高い国だからカビで発酵させる発酵食品が多いね。その地域によって特性や食材を生かした発酵食品があるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そういや缶詰の話の時とハチミツの話の時と似てるな〜。やっぱり食べ物をいかに長い期間保存させられるかは、本当に大事な人間の課題だったんだね〜。

そうだね。今では1年以上保存できるものはたくさんあるね。缶詰もハチミツも実質腐らないものだし、世界には面白いものがたくさんあるね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

お酒も発酵食品

お酒も発酵食品なんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

え〜!お酒にも菌が入ってるの?

酵母(こうぼ)っていう菌がアルコールを作ってくれるんだよ。酵母は酸素のない液体の中で、糖を代謝してアルコールに変えるんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

酵母か〜!麹とはまた違うんだね!発酵食品って意外と多いね!

私たちの生活の中には、目に見えない菌のおかげで成り立っているものがたくさんあります。発酵食品は菌がなければ作れません。菌には体に悪さをする菌もあれば、私たちの生活に欠かせない菌もあります。

例えば、私たちの腸の中にも菌は生息しています。善玉菌と言われる乳酸菌などは、消化吸収を助けたり、感染防止をするだけでなく、ビタミンの合成にも役立っています。悪玉菌と言われるウェルシュ菌や大腸菌は腸内を腐敗させたり発癌性物質を生成したりします。

様々な菌が共生しながら私たちの生活は成り立っており、それを上手く活かしたのが発酵食品です。

人間の長い歴史の中で生み出した保存方法は、今日でもしっかり受け継がれ、今では食の楽しみとしての色が強くなっています。物事の成り立ちをしり、「なぜ」を毎日発見し、自分なりに仮説を立ててみるのも面白いと思います。

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り