一円玉はどうやって出来る?

財布の中に多くて困るのが一円玉。クレジットカードや電子マネー利用で今後使用頻度が下がる可能性があります。しかし、子どもや高齢者はまだまだ現金利用が主流です。一円を笑う者は一円に泣くというこの一円玉はいったいどのように作られているのか一緒に見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!一円を笑う者は一円に泣くってどういう意味?

はした金だからと言って馬鹿にする人は、いつかそんなはした金がなくて困る日がくるという諺(ことわざ)だよ。元々は「一銭(いっせん)を笑うものは一銭に泣く」と言ったんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

一銭?

今は使われない銭と厘

一銭は一円の100分の1だよ。とても小さい額だ。さらに銭の10分の1が厘(りん)というんだよ。どちらも1953年(昭和28年)に制定された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」によって発行が停止されたんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

どうしてもう作らないの?一円以下の物って売ってないから?

その通り。戦後に日本が経済成長して、物がよく売れるようになった。供給(きょうきゅう:必要に応じて物を与えること)より需要(じゅよう:必要として物を求めること)が勝る状態なら値段を上げても売れるから、物の価値が上がっていったんだ。そうなると、1円以下のお金を使う機会がなくなってしまった。だから1953年に1円以下のお金の発行を停止したんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

今でも10円のお菓子はあるけど、それより少ないお金って使うことあまりないよね。消費税がかかるから一円玉が必要だったりするけど。消費税がなくなったら一円玉もなくなるね!

お金を使うのは物を買う時だけじゃないからなくなる事はないだろうけど、今はクレジット決済や電子マネーを使う人が増えているから、そもそも紙幣も硬貨も使う機会が減るだろうね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

硬貨は造幣局で作られている

マー君
マー君

ディアボロ先生!お金ってどこで作ってるの?

紙幣と硬貨で作っているところが違うんだよ。紙幣は国立印刷局というところで作っていて、硬貨は造幣局というところで作っているんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

作っているところが違うんだ!どうして違うところで作るの?

明治時代の西南戦争(1877年)の時に明治政府が戦争に必要なお金を勝手に刷って、お金が多くなりすぎたことでお金の価値が下がってしまう自体が起きたんだ(インフレーション)。そんなことが起きないように、紙幣は政府が管理するんじゃなくて、日本銀行が管理しようということになったんだ。今でも硬貨は政府が発行できるんだけどね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そういう歴史があるんだね。硬貨はどうやって作ってるの?

硬貨の作り方

硬貨はそれぞれの金属を溶かして、一枚の板の状態をつくるんだ。それをガムテープみたいにグルグル巻きにしながら貨幣の厚みにまで調整していく。貨幣の厚みに仕上がった圧延板を打ち抜きマシンという機会を使って1秒間に60枚という速さで型をくり抜いていくんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

へ〜!模様はどうやってつけるの?

圧印機という機械を使って両面同時に模様をつけるんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

すごーい!全部機械でやっちゃうんだね!

そうだね。さらにすごいのが作成に失敗した硬貨がないかもコンピューターが自動で検査しているんだ。1分間に750枚という速さで表裏を同時にチェックするんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

アルミニウムは金属

マー君
マー君

ディアボロ先生!一円玉ってアルミで出来てるんでしょ?アルミってアルミ缶のアルミだよね?アルミって磁石にくっつかないから金属じゃないの?

一円玉もアルミ缶も同じアルミニウムから出来ているね。アルミニウムは磁石でくっつかないけど金属だよ。磁石にくっつかないから硬貨に向いているね。お金が磁石にくっついたら、何かと悪さされてしまうしね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうだね〜。アルミ缶ってリサイクルされるんだよね?僕が飲んだあとのジュースの缶って絵柄ついてるし、スチール缶とかも一緒に捨ててるのに、どうやってもう一回使えるようになるの?

スチール缶は磁石にくっつくよね。だから磁石を使ってアルミ缶とスチール缶を分けられるね。あと絵柄はインキで印刷されているから、アルミ缶ごと焼いてしまえば取り除くことができるんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

ほんとだ!素材の特徴の違いをうまく利用しているんだね!アルミって溶けるんだね!氷は0度以上で溶けるよね。アルミは何度で溶けるの?

アルミニウムの融点(ゆうてん:個体と液体が平衡(へいこう)を保っている温度)は660.3℃だよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

660.3℃!?高すぎて想像できない!

ろうそくの火がだいたい1,400℃くらいだね。ちなみにアルミニウムは金属の中では比較的低温で溶けるんだよ。金(ゴールド)は1064.43℃で溶けて、鉄は1,536℃で溶ける。
アルミは低温で溶けるからリサイクルしやすい金属ということだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

アルミはリサイクルにもってこい

マー君
マー君

なるほど!じゃあちゃんとリサイクルに出さないとね!

それにアルミ缶とスチール缶の大きな違いがあるんだけど、マー君分かるかな?

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

スチール缶ってコーンポタージュのジュースの缶だよね?スチール缶ってとても硬かったような気がするな。アルミ缶は手で簡単に潰せたよ!ママが家でアルミ缶捨てる時に踏んづけてペッタンコにしてから捨ててたよ!

そうだね。アルミ缶は融点が低いだけじゃなくて、非常に柔らかいんだ。だから加工がしやすい。アルミを溶かして塊(かたまり)にしてたけど、薄く伸ばしてまたアルミ缶が作り直せていたでしょ。だからリサイクルにはもってこいなんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

環境問題がよくニュースになっているけど、アルミは環境に良い金属だね!

西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り