金箔ってどうやって出来る？

食用の金箔は金と微量の銀で出来ているよ。工芸品に使う様な金箔は銅も微量に入っているけど、これらの金属は消化して分解される訳でもなければ吸収もされないよ。味も匂いもないしね。

そうだね。栄養にもならないよ。

たまたま表面についていたらキラキラ光るかもしれないね。

残念ながら金箔をかき集めてもお金持ちにはなれないんだよ。金箔の厚さはなんと1万分の1mm（0.0001mm）しかない。現在（11月23日）の金の価格は1gで5600円程度。1gで1m四方まで引き延ばせるから、お酒に入ってる金箔を集めても、50円程度にしかならないだろうね。

金箔は簡単に破れてしまうんだよ。ちょっと引っかかったりしたらすぐに破れるし、静電気や風でも破れてしまうことがあるくらい。だから、製造している人は金箔を竹など静電気が起きない道具をわざわざ使用しているんだよ。

金箔は古墳時代に装飾品（そうしょくひん）として使われていたことが分かっているよ。

そのようだね。寺院や仏像にも金箔が使われているのは有名だよね。

日本の金箔製造の99%は金沢で作られているんだよ。金沢は日本海側で日照率が低くて雨が多い。年間を通して湿度が70%を下回る日が少ない。だから金箔を静電気から守るにはもってこいなんだ。

エジプトでは日本よりもっと昔の紀元前1200年頃から金箔を製造する技術があったと言われている。さらにエジプトは金を装飾として扱っていた歴史が長く、紀元前3100年頃から金を装飾品として使用していたという見方もあるんだ。

ツタンカーメンの黄金のマスクが作られたのは紀元前1300年頃だから、金箔を製造する技術が出来る前だね。

そうだよ。仮面自体は純金に近い金の延べ板を数枚つなぎ合わせて顔の形にしてるんだ。マスクの重さだけで11kgもある。しかも、宝石がいくつも埋め込まれている。これでもかっていうくらい豪華だよね。

宝石にも価値があるからもっとだけどね。さらにマスクだけじゃなくて、マスクの外側は純金に近い110kgもある金と宝石を使った人型の棺だよ。金だけでも6億円は超えるし、何より金箔じゃなくて金そのものであれを作り上げたことに驚きだよね。

金は薄く伸びやすい特性があるのは金箔で分かったよね。薄く伸びるという事は、長く伸びる事も出来るんだよ。だから金糸（きんし）が作れるんだ。

1gの金で細く長く伸ばしていくと2.8kmまで伸ばせるんだよ。

確かに東京スカイツリーは634mだから4.4棟分くらいだね。東京スカイツリーで喩えるとは思わなかったけど、1gがそこまで伸びるのはほんと信じられないよね。金はそれだけ薄くよく伸びるから、電子機器の中のでも利用されている。腐食もしにくいから金は非常に便利なんだ。