COPDの原因は喫煙？

COPDは「慢性閉塞性肺疾患（まんせいへいそくせいはいしっかん）」という病気だよ。COPDは気管支や肺胞が炎症を起こして気管支が狭くなったり、肺胞（はいほう）が破壊されたりすることで起こる病気なんだ。日本人が罹（かか）るCOPDの原因の90%は喫煙と言われているね。

肺胞は肺の中に約3億個あって、酸素と二酸化炭素の交換をするところだね。人間は酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出すよね。血液中に酸素を送り込んで、血管から二酸化炭素を取り出すところが肺胞だね。

そうだね。しかも一度破壊されてしまった肺胞は元に戻らないから、COPDになると一生治らないんだ。今以上に悪くならないように治療したり、生活しやすいようにする為の措置はあるけどね。

初期の段階では運動時の息切れが目立つようになるよ。例えば階段や登り坂で息切れしてしまったり、休憩しないと登れなくなったりするね。悪化すると平坦な道でも息切れしてしまうようになる。咳や痰（たん）が増えるのも症状の一つだね。

そうだね。どんなアスリートでも呼吸を制限されてしまったらすぐに動けなくなってしまうよね。酸素をエネルギーにしている訳だから、呼吸は何より大切だね。

気管支や肺胞が炎症を起こして気管支が狭くなったり、肺胞が破壊されたりする原因が喫煙だと言われている。それは、タバコの煙に含まれる有害物質が原因で炎症を繰り返す事によって起こる。中国ではPM2.5による大気汚染が原因の一つだと言われているけど、日本の場合は喫煙でCOPDに罹（かか）る割合は90%だと言われているね。

COPDだと診断を受けた人に対して、お医者さんはまず禁煙を勧めるそうだ。当たり前だけどね。40歳代で約3%、70～80歳では30～40%の人が発症すると言われているよ。

そうだね。あと一日に吸う本数が多い方がCOPDになりやすいよね。

COPDは呼吸困難を伴って肺炎を繰り返したりして死に至る病気で、2017年度の男性死亡率の8位がCOPDだった。死亡率が高い割に世間に浸透していないし、自覚していない人が多い病気なんだ。

COPDと診断される可能性のある人は日本に700万人以上いると言われている。だけど、実際に治療を受けている人は50万人程度と言われている。その原因は、COPDの患者の年齢層からも分かる通り、息切れの原因を加齢のせいだと誤解するところにある。

確かにそうだね。だけど、まだCOPDの認知度が低い事も原因の一つだから、まずはCOPDという病気があることをみんなに知ってもらう必要があるね。さらにタバコを吸う人がなりやすい病気でもあるから、特にタバコを吸う人には自覚してもらわないといけないね。

なるよ。結局同じタバコの煙を吸う事になるからね。最近は分煙（ぶんえん：喫煙者と非喫煙者の空間や時間帯を分けること）が進んでいるから、昔に比べると受動喫煙はずいぶん減ったね。でも、喫煙者はタバコの害をよく理解した上で吸わないと、知らず知らずの内に他人に害を与えてしまうから気をつけないとね。

COPDは確かに名前を覚えにくいね。慢性閉塞性肺疾患と言ってもこれも難しい。最近は「タバコ病」という言い方をする場合があるから、そういう覚えやすくて理解しやすい名前にして広めるのも良いかもしれないね。

COPDの治療には薬物治療（気管支拡張薬）と酸素療法（酸素吸入器）と運動療法があるよ。薬で気管支拡張をして呼吸をしやすくして、酸素供給機器からチューブを通して酸素を吸入する「在宅酸素療法」を導入して日々のADLを上げたりすることもある。

その通りだね。COPDに罹る事で、運動が大きな負担になってくる。そうなると筋肉が衰えてしまうし、さらに活動の幅が制限されてしまう。だから運動療法（ウォーキングなど）も必要だね。

一日にタバコを20本、20年年間吸い続けた人が結果的に重度のCOPDになったという例がある。人によってどれくらいで発症するかは分からないけど、吸わないに越したことはない。

別に吸わなくても良いよ。