缶詰はなぜ腐らない?

保存の効く缶詰は普段の調理以外に災害時の非常食として活躍します。賞味期限は記載されているものの、理論上は時間がどれだけ経っても腐りません。保存料や殺菌剤が一切使われていないのに腐らない。そんな缶詰の謎と歴史を一緒に見ていこう。

マー君
マー君

ディアボロ先生!缶詰の賞味期限ってすごいね!サバ缶を食べようと思って賞味期限を見たら、3年後だったよ!いっぱい買っておけば災害の時の食糧になるよね!僕の仲間にもあげたいな!そしたらみんな冬眠しなくて良いもんね!

缶詰は大体賞味期限が3年から5年と表記されているものが多いね。でも賞味期限であって消費期限ではないんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

賞味期限と消費期限の違い

マー君
マー君

賞味期限と消費期限って何が違うの?

賞味期限は書かれた保存方法を守って保存した場合に、美味しく食べられる期限のことだよ。だから賞味期限が過ぎたからと言って腐ってしまって食べられない訳じゃないんだ。
消費期限は書かれた保存方法を守って保存した場合に、安全に食べられる期限のこと。賞味期限は多少過ぎても食べられるけど、消費期限を過ぎたものは安全ではない可能性が高い方食べない方が良いよ。消費期限は特に傷みやすい食品に記載されていて、例えばサンドイッチとかケーキとかだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

という事は、缶詰って書かれている賞味期限が過ぎても食べられるって事?

そうだよ。缶詰はその製造工程上、腐らないものなんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

どうして缶詰は腐らないの?

缶詰はなぜ腐らない?

缶詰は食品を缶の中に詰めたあと、高温で殺菌するから、缶詰の中の生きてる菌はゼロになる。新しい菌が缶の外から入って来ない限り、缶詰は腐ることが出来ないんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

なるほど〜!腐る為には菌が必要だけど、密閉されている缶の中は無菌だから腐れないんだね!

その通り。でも、直射日光が当たる場所や、高温多湿の場所で長期間保存していたら、缶自体が腐食(ふしょく:腐ったり錆びたりして形が崩れること)して、穴が空いたりしてしまう。そうなると外から菌が入って中の食品が腐ってしまう。だから適切に保存していれば長く持つけど、保存方法を間違えると腐らない缶詰も腐ってしまうことがある。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そうなんだ!じゃあ一応賞味期限は守っておいた方が良さそうだね!缶詰には保存料が入ってないみたいだね!僕が食べた缶詰には原材料に「鯖(さば)」と「塩」としか書いてなかったんだ。

保存料が入っていないのに腐らない

そうだよ。さっき説明した製造方法を思い出してみて。缶を密閉した後に高温で殺菌するから中に菌がいない。だから保存料を入れる必要がないんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そっか!菌がなければ腐らないんだった!じゃあ缶詰ってとても健康的な食べ物なんじゃないかな?

そうかもしれないね。最近はいろんな種類があるし、味付けされているものもあるから調理しなくても良くて、便利だし美味しいよね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

だよね!一人でお留守番の時にこっそりおやつで食べるんだ!ママに火を使っちゃ駄目って言われているから、お腹が減ったら缶詰を食べるんだ!

珍しいね。マー君は冬眠しなくて良いからあんまり食べ過ぎないようにね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

イワシの缶詰ができるまで

マー君
マー君

すごいすご〜い!イワシの缶詰ってこんな感じで出来るんだ〜!

機会と手作業であっという間という感じだね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

食べるのに勇気が入りそうな114年もの缶詰

1938年にイギリスで114年間保存されていた缶詰を食べた人がいるらしよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

それは僕遠慮しておくよ〜!!その人は大丈夫だったの?

大丈夫だったみたい。肉と野菜の缶詰だったらしいんだけど、味も匂いも問題なかったそうだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

さすが缶詰だね。無菌を維持できれば大丈夫なのか・・・。でも缶自体が腐敗してたらおしまいだよね!

本当だね。みんなは食べない方が良いだろうね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生

缶詰は1810年生まれ

マー君
マー君

缶詰っていつからあるの?

缶詰はイギリスで1810年に、ピーター・デュラントっていう人が発明したんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

そんなに前からあったんだね!

缶詰は食品を長期保存できるように作られた訳だけど、その必要性があったのは戦争にあったと言われている。戦地に出向く際に、食糧を持っていかなかいといけないけど、他国に遠征にいくという事は長期保存できなければいけないって事でしょ。缶詰ができる前は塩漬けや酢漬けや燻製にした食品を持って行っていたらしいんだけど、それでも腐敗はすすんでしまっていた。そこで、ナポレオンが食品を長期保存する方法を公募したところ、1804年にニコラ・アペールという人が、瓶詰めを考案したんだ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

缶詰じゃなくて瓶詰めなんだ!

缶詰と同様で食品を中に入れた後に熱で処理するという方法だったんだよ。だけど、缶詰は完全に密閉された状態で熱処理しているのに対して、瓶詰めはコルクの蓋をゆるく閉めて加熱し、空気が抜けてから蓋をしていたらしい。缶詰より衛生面では劣るよね。それに瓶は重いし割れてしまう。缶詰は瓶詰めを進化させたものという訳だね。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

新しいアイデアでどんどん改良していくってすごいね。それにしても缶詰ができる裏には戦争があったなんて想像してなかったな!

缶切りは缶詰が生まれてから48年後に生まれた

だけど缶切りが生まれたのは缶詰誕生から48年後の1858年なんだ。アメリカでエズラ・J・ワーナーという人が発明したんだよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

え〜!じゃあそれまではどうやって開けてたの?

「のみ」と「斧」らしい。戦地では銃で撃って開けていたという話もあるよ。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
マー君
マー君

戦地ではご飯食べるのも大変なんだね〜。僕らが簡単に缶詰を食べられるのは缶切りのおかげか〜。感謝しないと!あっ。そういえば僕が食べる缶詰は全部タブがついてるから缶切りも要らないや!ここにも改良があるんだね!

そうだね。缶詰の歴史を見るだけでも、必要に応じてどれだけの知識と改良があるかが分かるよね。これからも色んなものに興味を持って、先人のアイデアと努力を見ていこう。

ディアボロ先生
ディアボロ先生
西 友広
  • 西 友広
  • 趣味:映画鑑賞(ジャンル問わず)
       山登り