セロハンテープはどうやって作られる?
様々な場面で役に立つセロハンテープ。そんなセロハンテープはどうやって作られているのでしょう。素材はいったい何?セロハンテープの歴史から素材、製造での工夫などを一緒に見ていこう。
ディアボロ先生!セロハンテープのセロハンって何?
セロハンは植物の細胞壁(さいぼうへき:植物細胞や最近の最外側にある丈夫な被膜)の主成分であるセルロースから作られる透明なフィルムにことだよ。
セルロース?紙はどうやって出来るの?のときに教えてもらった、紙の材料がセルロースだったよね?
よく覚えていたね。そのセルロースだよ。だからセロハンテープも木のくずから取り出されたセルロースを使ってセロハンを作っているんだよ。
でも、セロハンは引っ付かないよね?のりみたいなの使ってるの?
その通り。粘着剤を使っているんだよ。セロハンテープはくるくる巻かれていて、接着面が反対側にくっついてしまわないように、剥離剤(はくりざい:はがれるようにする薬)が一番外の層にあるんだ。
セロハンテープの厚さは0.05mm
ディアボロ先生!厚さ20分の1mmって0.05mmだよね。セロハンテープってすごい薄いのに4層にもなってるってすごいね!
一つの層あたりにするともっと薄い訳だ。当たり前に使っているセロハンテープだけどこんなところにもすごい技術があるんだね。
粘着剤に使う天然ゴムってあの輪ゴムのゴムだよね?そもそもゴムって何?
ゴムは主にゴムノキから採れる樹液で作られる
ゴムノキを樹皮を傷つけると乳液が出てくるんだけど、これをラテックスというんだ。このラテックスに凝固(ぎょうこ:液体または気体が固体に変わる現象)剤をいれて固めて乾燥させると生ゴムになるんだよ。
ゴムは木から採れるのか!日本でもゴムの材料って採れるの?
日本では摂っていないよ。天然ゴムは100%輸入していて、約65%がインドネシアで、約30%はタイからの輸入だね。
輸入してるのか〜!
木から牛乳が出てるみたい!樹液って黄色くてネバネバしてるイメージだったな!樹液ってなんのためにあるの?
樹液は木が傷ついたときに、傷口を塞(ふさ)いで保護したり、悪い菌から守るために出ると言われているよ。人間が血を流すのも同じような働きがあるよ。
じゃあ傷つけられて木が自分を守るために出してるのか〜。ところで、セロハンテープの製造中に静電気が起こらないように蒸気を出してたけど、蒸気を出したら静電気は起こらないの?
静電気はなぜ起こる?
じゃあまず静電気の仕組みから説明するよ。静電気は電気の通しにくいもの同士をこすりあわせたときに起こるんだ。「+」の電気を帯びた粒と「−」の電気を帯びた粒を普通は同じ数だけ持っている。物と物とがこすり合わされたりすると、一方の「−」の粒がもう一方へ移動してしまうことがある。
じゃあ普通の状態じゃないよね?「+」が多い物と、「−」が多い物になっちゃうよね?
そうだね。この普通じゃない状態を静電気というんだよ。
じゃあビリビリってくることを静電気という訳じゃないんだ!じゃああのビリビリには名前はないの?
あるよ。まず、この静電気を帯びている状態を帯電(たいでん)と言うよ。帯電している状態は普通じゃないから、いつでも普通の状態に戻ろうとしているんだ。だから「+」に帯電しているものが、「−」に帯電しているものに近づく(または触れる)ときに、「−」の電気がバランスを取り戻そうとして移動する時にバチっと電流が流れる。これを放電(ほうでん)と言うよ。
なるほど!放電だね!じゃあ今度からバチっと電流が流れたら、静電気だと言わずに「放電した!」って言うようにするよ!
そう言う人は先生の周りにいないけど、それが正しい表現だろうね。
蒸気で放電を防ぐメカニズム
じゃあ、蒸気で放電を防いでるのは、蒸気の水分が「−」の帯電をどこかに運んで移動させているってことなの?
その通りだよ。水は電気を通すね。空気中の湿度が高まれば、水分を伝って自然に放電して「+」と「−」のバランスを取れるようになる。
だから冬に静電気がたまってバチバチなるんだね!?
そう言えるね。あと、冬場は厚着で、服を重ねて着るから摩擦が多くなる。それで帯電が起こりやすいのも原因のひとつだね。セロハンテープ工場での蒸気の使用は放電による火花で火災が起こらないようにすることと、放電がそもそも起こらないようにする工夫だね。
よく考えてるね〜!ディアボロ先生!セロハンテープはいつ出来たの?
セロハンテープの歴史
セロハンテープの歴史は、まずセロハン自体がいつ出来たかを知らないといけないね。セロハンは1908年にジャック・ブランデンベルガーというスイス人が開発したんだよ。木材パルプを使う今と同じ製法だね。それまで透明なフィルムがなかったから画期的な発明だったようで透明なフィルムで商品を包装しても美しさを出せたみたい。それから1930年に、アメリカのリチャード・G・ドルーという人が今のセロハンテープの製法を編み出したんだ。日本で販売されるようになったのは1935年だよ。
そんな昔からあったんだね!便利なものは国境を越えてどんどん進化していくんだね〜!