タピオカって何?
日本でタピオカがブームになったのは1992年。ココナッツミルクに白いタピオカが入っているものだった。第二のブームは2008年の黒いタピオカミルクティ。そして第三のブームは2018年。そもそもタピオカとは何なのか?どのように作られていてどんな栄養があるのかを一緒に見ていこう。
ディアボロ先生!タピオカミルクティ飲んだんだけど甘くて美味しいね!あの黒いのタピオカなの?
そうだね。あのグミみたいなモチモチした食感のものがタピオカだね。タピオカは本当は乾燥していたら白色で、茹でると半透明になるんだけど、あの黒い色はカラメル色素やイカスミなんかで着色しているんだよ。
そうなんだ!じゃあ白色のタピオカジュースもあるんだね?
タピオカは元々白い
1992年頃に流行ったタピオカはココナッツミルクに入っているものが主流だったんだよ。
白くて半透明だね!タピオカってそもそも何なの?
タピオカの材料はキャッサバという木の茎根
タピオカの材料はキャッサバという木の茎根で、それらから取り出したデンプンがタピオカと呼ばれているね。
茎根なんだ!
なんかさつま芋みたいだね!
そうだね。キャッサバの茎根だからキャッサバ芋とも呼ばれているよ。
芋か〜!じゃあヨウ素液を垂らしたら紫色になるやつだね?
その通りだよ。唾液の働きの話の時にもヨウ素液の話はしたね。芋は栄養をため込んでいる。じゃがいももさつま芋もキャッサバ芋もデンプンを多く含んでいるからヨウ素液に反応するよ。
じゃあタピオカはじゃがいもなんかと同じでデンプンが多いんだね?じゃあ栄養は糖質が多いという事だね?
タピオカの栄養は?
茹でると水分が多くなるけど、タンパク質とか脂質はほとんどないの?
ほとんどないと言って良いね。茹でる前は脂質がほんのちょっとだけ含まれているけど、茹でてしまうとそれもほとんど残らなくなって、炭水化物だけになっちゃうね。
じゃあ茹でる前は炭水化物の塊(かたまり)ってこと?
そうなるね。炭水化物(糖質)は体や脳の大事なエネルギーだから、エネルギー補給には良いかもしれないけど、ダイエットには向かない食べ物だね。ちなみに他のビタミンやミネラルも少ないと言われている。あんまり栄養価で言うと良いところがないから、デザートとして楽しんだら良いんじゃないかな?
他の栄養があんまりないのか〜。炭水化物ならご飯も炭水化物だよね。ご飯の代わりにタピオカなら良いって事だね?
お米は大事なタンパク源?
実はお米にはタピオカと違ってタンパク質が含まれている。お茶碗1杯分にタンパク質は3.8gも含まれていて、成人なら自分の体重(kg)と同じ数字のグラム数のタンパク質量が1日に必要と言われている。例えば自分の体重が60kgだとすれば、60gのタンパク質を1日に摂取した方が良い。三食きっちりご飯を1杯ずつ食べれば、それだけで11.4gもタンパク質を摂取できる。
じゃあタピオカをご飯の代わりにすると1日に必要なタンパク質が摂取できないかもしれないんだね?まあ僕はご飯好きだから良いけどね!タピオカは日本でも作れるの?
タピオカの輸入は台湾がトップ
タピオカの原料となるキャッサバは日本でも簡単に栽培が可能なんだよ。だけどタピオカのほとんどは輸入されていて、第二次タピオカブーム(2008年)の前からタイがタピオカ輸入ではずっと一番だったんだ。だけど、第三次タピオカブーム(2018年)からは台湾が輸入の多くを占めるようになったんだよ。
どうして台湾のタピオカの輸入が一気に増えたの?
その一つの要因は、日本で台湾のスイーツが人気になったことが挙げられるね。タピオカミルクティもそのスイーツの一つで、そういった台湾タピオカドリンク販売店が日本で増えた事で、台湾からの輸入が一気に増えたんだろうね。
なるほど〜!でもキャッサバってどこでも育てられるんだね!便利な植物だ!
キャッサバが世界に広まった理由
そういうキャッサバの特徴が活かされて、キャッサバの栽培は全国に広まったと言われている。17世紀に奴隷貿易というのが盛んに行われていたんだ。奴隷たちをアフリカ大陸から船で輸送する際に、たくさんの食糧が必要になった。そんな時にポルトガル人は栽培が容易なキャッサバを利用して、奴隷たちの食糧にあてたと言われている。高カロリーというのも重要な点だったんだろうね。
そうか〜。でこででも栽培できて高カロリーだから奴隷たちに食べさせておけば良いかって考えたんだね。ひどい話だけど、それで世界中で栽培が広まって、今では日本でスイーツとして楽しまれているのか〜。
南米の多くの国では元々主食としてあったトウモロコシと共に、キャッサバも重要な主食となっているようだよ。そして、キャッサバは痩(や)せた土地でも育つし、保存も効く。非常に便利な食べ物だね。
そうなんだね!キャッサバっていう名前すら聞いた事なかったけど、すごく食糧としては重要だね!日本にはお米があるからなかなか主食としては広まりはしなさそうだけどね!
キャッサバには毒がある?
そんなキャッサバにはシアン化合物という毒が含まれているんだよ。
毒!?じゃあタピオカ食べた僕はどうなるの!?
大丈夫だよ。ちゃんと毒抜くされているからね。シアン化合物は水溶性で水に溶けやすく、キャッサバを粉砕して水に溶かして毒を除くことができる。それにキャッサバの細菌内酵素や微生物の酵素を使って分解する方法がある。日本が輸入しているのはキャッサバ自体ではなくて、こういったシアン化合物の処理が済んだものを輸入しているんだよ。
そうなのか。ヒヤヒヤしたよ・・・。
中国ではこのキャッサバを大量に輸入して、キャッサバを発酵させることでエタノールを作り出している。エタノールはお酒のアルコールだね。こうしたエタノールは再生可能エネルギーとしても利用が可能だと言われていて、将来の電力エネルギーに貢献できるのではと期待されているよ。
植物からエネルギーを作り出せるのか!すごいな〜!食べるだけじゃないのか!人間っていろいろ考えるんだね〜!