地震はなぜ起きるのか?
日本は地震が多い国です。地震とはいったいどういうメカニズムで起こるのか。震度とマグニチュードの違いは?活断層とは一体何?地球の仕組みを知ることで、地震がなぜ起きるのかが見えてきます。地球の内部はどうなっているかも一緒に見ていこう。
ディアボロ先生!地震ってどうして起こるの?
地震は地面の下で岩盤がずれることで起きると言われているよ。
岩盤がずれる?
プレートのずれで地震が起きる
地面や海の底の下には硬い板状の 岩盤があって、これをプレートと言うよ。上の図のように、海洋プレートと大陸プレートが重なるようになっていて、海洋プレートが沈み込むと大陸プレートも引きずられるようにして沈んでいくんだ。大陸プレートが引きずられる力に耐えられなくなったときに、跳ね上がるように元の場所に戻ろうとする時におこるのがプレート境界の地震で、海溝型地震と呼ばれているよ。
プレートが引きずられるの?すごい力だね。大陸プレートが引きずられるくらいの力だったら、大陸自体にもヒビとか入ってしまいそうだけどね。
その通りだね。大陸プレートには圧力やひずみが蓄積されていて、このひずみが限界まで達すると、陸のプレートの弱い部分がずれて動いてしまう。これを内陸型地震と言うよ。
内陸型地震って地面の下で起きるの?あまり深くないところで起きたら強い地震が起きそうだね!
そうだね。内陸型地震は地下約5~20 kmと比較的浅いところで起こる地震だから、被害が大きくなりやすいと言われている。ちなみに、断層はそういった内陸型地震で作られた「ずれ」なんだよ。
断層と活断層はどう違う?
活断層って聞いたことがあるんだけど、活断層と断層ってどう違うの?
両側の岩盤がずれて動いたものを断層と言うけど、活断層は数十万年前以降に繰り返し活動してて、将来も活動すると考えられる断層のことを言うよ。
じゃあ単に断層と言う時は、将来活動する可能性がないと思われているものを指すんだね!自分の家の近くに断層があっても大丈夫だけど、活断層があったら大変だね!
そういう事だね。
震度とマグニチュードの違い
ディアボロ先生!震度とマグニチュードも違うものなの?
そうだね。震度は揺れの強さを示していて、マグニチュードは地震そのものの大きさを表すときに使うよ。
ん〜?同じ事じゃないの?
もう少し具体的に言うと、地震そのものの大きさ、つまり地震の規模をエネルギー量として表すのがマグニチュードだ。だからマグニチュードは一つの地震に対して一つの値しかない。だけど、震度というのは一つの地震に対して、各場所によって揺れの大きさが違うから、各場所によって値が変わる。「東京は震度3だけど千葉は震度2だった」みたいにね。
なるほど!じゃあ震度は何段階あるの?
震度0・・・人は揺れを感じない
震度1・・・屋内で静かにしている人だけ気付く
震度2・・・屋内で静かにしている人の大半が気付く
震度3・・・屋内にいる人のほとんどが気付く
震度4・・・置物が倒れる可能性がある
震度5弱・・・棚にある食器や本が落ちる可能性がある
震度5強・・・物につかまらないと歩けない
震度6弱・・・立っている事が困難。窓ガラスが割れることもある。
震度6強・・・はわないと歩けない。耐震性の悪い木造家屋は傾いたり倒れたりする可能性がある
震度7・・・耐震性の高い木造家屋でもまれに傾く事がある。耐震性の悪い鉄筋コンクリート造の建物も倒れる事がある
震度は全部で10段階あって、5と6だけ「弱」と「強」があるよ。
震度0ってどうしてあるの?揺れていないなら震度0は要らないじゃないの?
震度0は揺れていない訳ではなくて、人が揺れを感じない程度という意味だよ。
そっか!地震は起きたけど揺れを感じない時に震度0を使うんだね!マグニチュードも0から7で表すの?
マグニチュードはテレビでも聞いたことがあるかもしれないけど、マグニチュード5.5のように、小数点以下も使うから、震度みたいに10段階ではないよ。マグニチュード3とマグニチュード4は、エネルギー量が約32倍になる。数字が1大きくなる毎に地震のエネルギーが約32倍になるよ。
お〜!全然イメージできない!とにかく数字が大きいほど規模の大きな地震だって事だね!
そうなんだけど、実際の震度に関わる要素はマグニチュードという地震そのもののエネルギーの大きさと、震源の深さが関係しているよ。
震源が浅いと大きな揺れになるという事だね!それにしても、そもそもどうしてプレートは移動しているの?プレートが止まってくれていたら地震なんて起きなくて済むのにね!
なぜプレートは移動し続けるのか?
それを知るには地球の構造を知る必要があるね。上部マントルは約1,000℃、下部マントルは約2,000℃、外核は約4,000℃、内核は約6,000℃もある。
地球の中って太陽くらいの温度があるんだね!そういえば地中熱の話の時にもこの話したよね!
そうだね。マグマや温泉の話をしたね。そんな地球の外側に地殻(ちかく)という5〜60kmの層があって、ちょうど卵の殻のように薄い層がある。この地殻と上部マントルの近いところが硬い板状の岩盤があって、これがプレートだね。プレートは地球内部で対流しているマントルの上に乗っているから、少しずつ動いているんだ。
上部マントルはマグマみたいにドロドロだから対流するの?
固体は液体のように対流する
上部マントルの温度ではマントルを構成しているカンラン石という石は融点に達しないから、ドロドロの液体ではなく固体のままなんだよ。固体も液体の様に対流するんだよ。
固体が対流する?全くイメージできない!だって、例えばコンクリートは固体でずっと同じ形のままで変わらないでしょ?マントルが固体だったら対流しないんじゃないの?
1933年にM・ライナーという人が行った「セメント棒の垂れ下がり実験」というのがある。長さ 76 センチの真っ直ぐなセメントの棒を用意して、その両端だけを支えて8ヶ月放置したんだ。そうすると固体のセメントの中心部分が1mmも下に垂れ下がったんだ。この実験で固体でも粘性の高い液体のように変形することが分かったんだ。
変化がゆっくりすぎて変化していないように感じるだけなのか!それにしても8ヶ月もよく観察したね。ちなみにマントルの対流はどれくらいのスピードで起こるの?
マントルの対流は一年で約10cmだと言われている。
ゆっくりだね!マグマみたいに液体だったら、絶対もっと早く対流するよね。固体でも対流するのか〜。不思議だな〜。
ちなみにプレートは十数枚あると言われていて、そのプレートが対流するマントルの上で移動しているんだよ。
地球は大きな石じゃないんだね!僕らの人生の中では少ししか動いていないようでも、地球の歴史からすると、地球はいつも大きく動いているんだね!地震はその地球の動き結果、起こるものなのか〜。じゃあ仕方ないけどやっぱり怖いね!
そうだね。人間の目で見ると変化がないように見えるけど、大きく動いているのは間違いなさそうだね。地震を止める事はできないから、地震がきた時の為のそなえをしっかりしておく必要があるね。
以前の勉強が役に立っている様で嬉しい限りだよ。水も準備しておいてね。