アマゾンが燃えている原因は日本?
アマゾンは地球の肺と言われる程、豊かな自然が広がる地域です。そんなアマゾンの森林が毎年広範囲に渡って燃えています、そして2019年は前年に比べ倍以上の森林火災が発生し甚大な環境破壊が日本でも報じられました。アマゾンの森林火災は野焼きが原因とされていますが、なぜ野焼きをしなければならず、ここまで大きな問題になっているのかを一緒に見ていこう。
ディアボロ先生!アマゾンの森林が燃えてるって前にニュースを見たんだけど、森林って自然に燃えるの?
自然に燃えることもあるようだけど、アマゾンの森林火災は野焼きと言って森林を焼き払って農地を広げる事が原因と言われているよ。
農地を広げる為に森林を燃やしているの?森林を焼いちゃったら地球温暖化が進んでしまうんじゃないの?
アマゾンは地球の肺ではなくCO2の貯蔵庫
そうだね。アマゾンは地球の肺と呼ばれているのはそれだけ酸素を生み出すからなんだけど、実際に例えるなら二酸化炭素の貯蔵庫だね。植物は光合成で二酸化炭素と光を使って酸素を生み出すけど、実際のところ植物は酸素も消費している。成長して大きくなっている過程では酸素が生み出される量の方が多くなるけど、成熟した植物は酸素を生み出す量と二酸化炭素を排出する量がおおよそ一定して同じくらいになる。
地球の肺じゃなかったんだ。でも植物が必要なのはどうして?
植物それ自体が炭素で構成されているから、成長過程で炭素を多く取り込んでいって、成熟した時には二酸化炭素の貯蔵庫となる訳だね。化石燃料を燃やすとCO2が出るように森林が燃えるとCO2が出る。それは燃料や森林自体が炭素で構成されているからだね。だから森林は地球の二酸化炭素を抱え込んでくれているから地球環境にとって大事なんだ。
じゃあ結局アマゾンの森林が燃えているのは地球温暖化にとって問題だね!
そうだね。それに先住民たちもアマゾンに住んでいて、ブラジルでは憲法で先住民たちの居住区を侵害してはいけないってなっているのに、現大統領のボルソナーロはそれを平気で無視していると言われているね。
ひどいね!勝手に住んでいるところを奪うような事をして!そんな大統領早く辞めてもらわないと!
確かにそうかもしれないね。ただし、ブラジルだけに責任がある訳じゃなくて、先進国全体として責任があって、だからこそブラジルにだけ責任を押し付けるのではなく、私たちも自分たちの生活を見直したり、政治に興味を持って意見を反映させる動きが必要なんだ。
どういう事?アマゾンの森林火災は野焼きが原因じゃないの?
なぜ野焼きをしなければならないのか?
じゃあ何故、野焼きをしなければならないのか。それは農地拡大だったね。その農地とは大豆の農地なんだ。
大豆の農地?こないだ教えてもらった味噌も大豆だよね!しょうゆも納豆も。日本が大豆をブラジルから輸入しているからって事だね!
勘が鋭いね。その通りなんだけど、順を追って説明すると、元々ブラジルでは放牧を行っていて、牛肉輸出量は世界トップで年間200万トンを超えるんだ。
ブラジルが世界一だったんだ!全然知らなかったよ!
日本は昔大豆の輸入をアメリカに頼っていたんだけど、アメリカ依存脱却として当時の田中角栄首相が1974年にブラジルのガイゼル大統領とアマゾンのセラードと言われる地域の開発を約束して、技術と資金援助をして大豆の農地を作ったんだ。当時セラードは農業開発に着手していたんだけど、サバンナの高原地帯で農地開発が進まなかたんだ。
セラードはブラジルの24%を占める広大な地域です。セラードはポルトガル語で閉ざされたという意味。作物が育たず不毛な地域であるのが名前から推測できます。
田中角栄首相の考えは良いと思うな!
そうだね。実際、大豆不作で輸入停止があったようだし、新規輸入先の確保をすると共に、その国発展に寄与する活動だった訳だ。もっと言えば、自国の農業を成長させるのが良かったと思うよ。まあ、だけど結果としてその農地改革で大豆の農地が拡大していって、牧場地をさらにアマゾンの奥に追いやる形になってしまった。だから牧場地をアマゾン奥に広げていく必要があって野焼きをした。
それでアマゾンの森林火災が増えているの!?
そういう事だね。実際に大豆の農地が拡大しているんだけど、野焼き後に作られているのはほとんど牧場地なんだ。先住民たちが野焼きをする場合は計画的に行っていたようだけど、今牧場地拡大の為の野焼きでは無駄な火災の拡大があるようだ。
もったいないね〜。せっかく田中角栄首相のがんばりが悪い方向に進んでしまうなんて。今ブラジルの大豆生産量って多いの?
大豆生産量トップとアメリカとブラジル
何事もデメリットはあるだろうけど、田中角栄元首相が悪いんではなく、そんな歴史と現状を知らずに、アマゾン森林火災の原因の一端が日本にもあるんだよということを報じない日本のメディアの姿勢だ。ちなみにブラジルの大豆生産量は2018年で約1億2,000万トンでアメリカと同じくらいの生産量となり、この二カ国が世界トップなんだ。
桁(けた)が多すぎてどれくらいなのか分からないよ〜!
ちなみに3位のアルゼンチンは年間5,000万トン前後。日本は21万トン程度だよ。
日本ってそんな程度なの!?大豆と言えば日本食だと勝手に思っちゃってたからもっと作ってると思ってたな〜。
大豆を輸入に頼っている日本
確かに味噌、醤油、納豆なんかがあるからそう思うかもしれないけど、決して大豆は日本食だけじゃなくて、アジア全体でよく食べられているよ。それに油や肥料、飼料としての用途があるから、大豆は世界的に利用されているんだよ。ちなみに日本の大豆の自給率は7%しかないよ。
それもそんなに少ないんだ!でも、田中角栄元首相がブラジルに農地開発を進めた訳だし、そう考えると輸入に頼っているのは昔からだもんね!
その通りだね。ちなみに日本が大豆を輸入している主な国は以下の通りだよ。
大豆の輸入量は324万トンで、主な輸入先別輸入量は、アメリカ232万トン、ブラジル56万トン、カナダ33万トン、中国3万トンだね。
やっぱりアメリカが一番なんだね!ブラジルは二番目か〜!
そうだね。元々アメリカから一番大豆を輸入していたからね。そして、大豆は貴重なタンパク源という事もあって、世界各国で食べられている。ノルウェーはアマゾンの保護は地球環境に関わり、それは自分たちも積極的に参加するということで、アマゾン基金の最初の出資者として2008年から10年間で900億円以上拠出していた。ドイツもをアマゾン基金に拠出していた。
アマゾン保護よりも儲けに走るボルソナロ大統領
していた?もうしてないの?
そうだね。今は停止しているよ。ボルソナロ大統領が拠出金をどう使うかを検討するアマゾン基金運営委員会(COFA)とアマゾン基金技術委員会(CTFA)の2つを2019年5月に廃止したことによって、ノルウェー、ドイツの両国が、拠出金の使用がアマゾン保護に当てられない可能性があると判断したんだ。
え〜?ボルソナロ大統領は何を考えているの?だってお金をもらえるしアマゾン守れるし、良いことばっかじゃないの?
実は農地開発だけじゃなくて、鉱山開発やそれに必要な電力を賄うためのダム事業が進められているんだけど、そういったお金がどこから出ているか。
アマゾン基金をあっさり辞めちゃえるくらいのお金がもらえるってことだね?という事はブラジル国内じゃなくて海外からお金が回ってくるってこと?
その通り。アメリカに拠点を置く投資会社を中心に、お金が集まりブラジルに流れていく構図がある。決してアメリカのお金だけじゃなくて日本のお金も流れていっていると指摘されている。だから日本にも責任があると言える。
やっぱりお金なんだ〜。ノルウェーとかドイツが貢献してきたのがバカみたいだよ。
なぜ日本は他人事として問題を放置しているのか
そうだね。許されないと思うのが普通だと思うよ。だから市民レベルではアマゾン森林破壊に関係する企業のボイコットや不買運動が各国で行われていたり、国レベルで自国企業に投資をしないように呼びかけていたりする。なのに、日本は自国には関係ないかのような態度が見受けられる。
どうして?
さっきも言ったようにメディアの問題。そして政治の問題。あと、日本人の多くが英語を使えないことによって、世界のニュースに触れる機会が少ないという事が挙げられる。アメリカやイギリスは当然の事として、EU諸国では自国の言語以外に英語を使用できることによって、他国のニュースに触れる機会が多い。日本ではそれが少ないから世界の流れと足並みが揃わないんだろうね。
英語を話せるって大事なんだね!
ネットを利用できればほとんどすべての情報にアクセスできると言われているけど、アクセス出来るけど英語ができなければ読めないよね。すべての情報が日本語に訳されているわけではないからね。
そっか〜!まさかそんな問題があったなんて考えてなかったな〜!一つの情報だけで判断しちゃわないようにするには、たくさん情報を得ないといけないとは思ってたけど、まさか日本の情報だけじゃダメだとは思ってなかったな〜。英語苦手だけど勉強しよ!あと大豆と牛肉食べるのやめて毎日豆腐で栄養を摂るよ!
豆腐も大豆だよ。