蚊取り線香が世界を救う？

蚊取り線香は元々普通の線香と同じ形をしていたんだよ。だけど、それだと40分程度で燃え尽きてしまう。渦巻にすることで蚊取り線香を長くする事が可能になったんだ。一般的な蚊取り線香なら約7時間燃焼するよ。

一般的な大きさのもので約75cmだね。明治28年（1895年）に日本除蟲菊貿易合資會社（現：大日本除虫菊株式会社『KINCHO（金鳥）』）の初代社長夫人が、渦巻型を発案したらしいんだ。もしこの発案だなければ、蚊取り線香はなんども取り替えないといけないままだったろうね。

蚊取り線香は明治23年から愛されるヒット商品だね。害虫被害は昔々から人類の問題だったみたいで、古代エジプトのクレオパトラは蚊帳（かや：蚊を防ぐ為に寝床を覆う寝具。下写真参照）を使用していたらしい。日本には中国から伝来して江戸時代には庶民まで浸透していたようだ。

「ビル＆メリンダゲイツ財団」が2014年4月公開のデータによると、世界で人間を最も殺す動物は「蚊」だそうで、年間725,000人が蚊によって殺されているらしい。

命に関わる病気の運びやとして人を殺しているんだ。例えばマラリア、脳炎、黄熱、デング熱といった感染症は蚊によって媒介（ばいかい：橋渡し）する。

良いところをついてるよ。蛇は第3位で年間約5万人を殺している。ライオンは第12位で年間約100人人を殺しているらしいよ。ライオンは生息地が限定されているから数としては少ないよね。

残念だけど、それは人間だね。年間約475,000人が人によって殺されている。戦争で殺し合うし、殺人のニュースは日本だけでも数多く見聞きするよね。平成30年の刑法犯による死亡被害者数は年間690人だった。これは年々減少傾向で、少なくなっているけど、治安の良いと言われる日本でもこの数字。

そんな危険な人間には効果はないけど、蚊には絶大な効果がある蚊取り線香の殺虫効果は除虫菊（シロバナムシヨケギク）の花に含まれているピレトリンという成分を使っていたんだよ。

そうだね。このシロバナムシヨケギクの強力な殺虫成分であるピレトリンを使って蚊取り線香を作ったんだね。今ではアレスリンという化合物を使うのが一般的だけど、今でもシロバナムシヨケギクを使った100%天然植物由来の蚊取り線香はあるよ。

実際は煙からアレスリンが気化して出ていく訳ではなくて、その手前の250°に熱せられた部分からアレスリンが気化して放出されているんだよ。煙は拡散を助ける運び役だね。

大きいサイズだった12時間もつのもあるよ。ゆっくり寝れるね。

蚊は炭酸ガスと体温を感知できるんだ。だからいくら真っ暗にしてもマー君を見つけられるよ。

炭酸ガスの化学名は二酸化炭素だね。呼吸は酸素を取り入れて二酸化炭素を出すよね。その二酸化炭素に蚊は反応するんだよ。

空気中の酸素と二酸化炭素の割合は「酸素が20.94%で二酸化炭素が0.03%」。吐く息の割合は「酸素が16.44%で二酸化炭素が3.84%」程度だそうだ。元々大気中に二酸化炭素はごく僅（わず）かしかないから、たった4%弱でも大きい変化になるね。

そうだね。吐く息全部が二酸化炭素だったら人工呼吸は殺人呼吸になっちゃうね。

そうだね。それに蚊だけでなくハエにも効果的だから、屋外でも活躍するよ。いろんな種類があるから見てみてね。